第4回合同調整委員会(JCC)を開催し、プロジェクトの成果と今後の質改善に向けたロードマップを確認しました。
2026年3月19日、ジンバブエ保健省にて、第4回合同調整委員会(Joint Coordination Committee: JCC)が開催されました。本会合には、保健省、対象病院、州保健局、在ジンバブエ日本国大使館、JICAジンバブエ支所などから合計38名が参加しました。本プロジェクトにおける最後のJCCとなった今回は、プロジェクトのこれまでの成果や残された課題が報告され、参加者との活発な意見交換がされました。また、プロジェクト終了後の持続的な医療サービスの質向上(Quality Improvement: QI)活動に向けて、今後の進め方や具体的な道筋について、本プロジェクトのカウンターパート部局である保健省の質保証・患者安全局(QAPS局)が策定したロードマップ案が発表され、活発な議論が行われました。
第4回JCC参加者の集合写真
【プロジェクトの達成事項とエンドライン調査結果の共有】
会議ではまず、プロジェクトより、すべての計画された活動が完了し、プロジェクトの主要な指標が達成されたことが報告されました。特に、保健省承認のガイドラインや研修モジュールを通じた国全体でのQI実施体制の構築・強化や、対象病院における5S-KAIZEN-TQM活動の実践強化、スタッフの質と患者中心の意識向上や患者満足度の改善が大きな成果として共有されました。
一方で、対象病院間での活動実施レベルの差、州保健局における指導能力のギャップ、医療現場での財源や人材の制約といった今後の課題も提示され、これらをどのように克服していくかについて参加者間で協議が行われました。
【持続可能性を強化するための課題解決の議論】
提示された課題に対し、参加者からは様々な視点から意見が交わされました。例えば、QI活動をより十分な体制で実施するための「専任のQI担当者の配置」の重要性や、病院や州保健局が実施している好事例の横展開や施設同士の学び合いの必要性が指摘されました。また、財源の制約に対しては、外部からの支援に頼るだけではなく、患者さんへの診療費の請求の取りこぼしを無くすための業務改善や各部門(検査室や薬局など)での適切な収益確保のための対策により、施設内の自己財源を確保していくことの重要性が強調されました。
プロジェクトの成果と課題を発表する日本人専門家
JCC会議全体の様子
【2030年に向けた医療サービスの質と患者安全の取組に関するロードマップ案】
本会議の重要な議題として、QAPS局より、2026年から2030年までの活動方針を示す「質と患者安全の持続的・戦略的な取り組みに関するロードマップ案」が発表されました。このロードマップは、ガバナンス強化、人材育成、モニタリングと技術支援など5つの柱から構成されています。
議論の中では、州保健局が管轄内の県病院(年間最低2病院)に対して5S-KAIZEN-TQM研修を普及させていく計画の実現可能性が確認されました。さらに、医療従事者の間にQIの考え方を定着させるため、医学部等の保健人材養成課程の教育カリキュラムへの組み込みや、新任医療従事者向けの導入研修の実施が必要であるとの意見も挙げられました。
【今後の展望と閉会の辞】
会議の終盤、QAPS局長は、プロジェクト終了後も保健省が主導して外部モニタリング・スーパービジョン(M&S)を継続すること、対象施設が主体となってリーダーシップを発揮し、医療サービスの質と患者の待ち時間改善に取り組む姿勢を強調しました。
最後に、JICAジンバブエ支所長より、ジンバブエの保健システム強化を引き続き後押ししていくことが表明され、会議は閉会しました。
開会の挨拶をする保健省次官代理のチトゥンギザ中央病院長
質と患者安全の取り組みに関するロードマップ案について議論をファシリテートするQAPS局職員
閉会の挨拶をするJICAジンバブエ支所長
閉会の挨拶をするQAPS局長