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第4回JCC(最終回):4年間の軌跡と、キルギスが自ら動かす未来へ

2026年4月22日、ビシュケクにて、「非感染性疾患(NCDs)の早期発見・早期治療のためのパイロットリファラル体制強化プロジェクト」の第4回・最終合同調整委員会(JCC)がハイブリッド形式で開催されました。4年間の協力を締めくくる会合には、キルギス共和国保健省、国会、JICA関係者、医療現場の関係者が参加しました。

4年間の歩み

開会の挨拶に立ったカドィラリエフ保健省副大臣は、本プロジェクトの背景を改めて整理しました。キルギスでは、高血圧、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)をはじめとするNCDsが死亡や障害の主な原因となっています。一方で、多くの患者が一次医療機関を経由せず、三次医療機関を直接受診してしまうという課題がありました。この構造を改善することが、本プロジェクトの出発点でした。
4年間の成果として、8疾患領域における臨床ガイドライン・プロトコールの改訂、患者ルーティング表の作成、一次医療施設の医師や看護師を対象とした、改訂したガイドラインや問題解決力の研修、7本のオンライン教材の作成、心電計・スパイロメーター計14台の機材供与、37名の本邦研修参加などが共有されました。副大臣は、これらの成果を基盤として、今後は全国展開を進めていく方針を示しました。
JICAキルギス事務所の西形所長は、技術協力と並行して無償資金協力による医療機器整備も組み合わせてきたことに触れ、知識と機材の両面から一次医療従事者を支える協力であったと振り返りました。

終了ではなく、次の段階へ

JCCでの議論を受け、JICA人間開発部の戸川氏が言及したように、技術協力プロジェクトの終了は一つの区切りであり、その成果をキルギス側が主体的に活用していく段階に移りました。
保健省のジュマナザロフ医療支援・医薬品政策局局長も、パイロット活動で得られた経験とツールは全国展開に向けた基盤となっており、プロジェクトは新たな段階へ移行していると述べました。

3つの成果が生み出した基盤

本プロジェクトは、3つの成果を柱として実施されました。
成果1では、糖尿病、高血圧、脳梗塞など8疾患を対象に、臨床ガイドライン・プロトコールの改訂に取り組みました。日本の専門家とキルギスの医療チームが協働し、日本の知見も活用しながら、キルギスの医療現場で活用しやすい内容となるよう見直しを進めました。また、ガイドラインを「作って終わり」にしないため、改訂手順や品質確認の方法をまとめたマニュアルも整備され、保健省の承認プロセスに進んでいます。
成果2では、患者ルーティング表の開発と、医療現場の課題解決力を高めるための研修を実施しました。この研修は国立継続教育センターの正式カリキュラムに組み込まれ、2名のマスタートレーナーも育成されました。さらに、オシュ州やジャララバード州への展開も始まっています。
成果3では、医療従事者向けの動機づけ面接の導入と、一般住民向けの健康啓発動画の制作に取り組みました。トクモク市とジャイル地区の397名を対象に実施したヘルスリテラシー調査では、60%以上が「十分」または「優秀」な知識水準を示し、住民への啓発活動の効果が確認されました。

チュイ州から、全国へ

JICAキルギス事務所のアレレコヴァ氏は、プロジェクトで作成されたオンライン研修動画が国家医学教育システムに組み込まれ、全国の医師が自由にアクセスできるようになることへの期待を述べました。
チュイ州のパイロット地域から始まった取り組みは、キルギス全土に広がる国家モデルへと発展しつつあります。医師や看護師が自ら課題を見つけ、データに基づいて改善し、その成果を患者に還元していく。このサイクルが、プロジェクト終了後もキルギスの保健医療の現場で継続していくことが期待されます。

第4回JCC会議の開会の様子

各成果の4年間の取り組みが報告された

JCCを終えた日本・キルギス関係者による集合写真

キルギス保健省からJICA、プロジェクト専門家、キルギス側協力機関への感謝状の授与