第1回本邦研修を実施しました
2023年11月26日から12月5日までの10日間のプログラムで、バングラデシュから研修員を招き、本邦研修を実施しました。研修の目的は、日本の看護職の行政・大学・病院・地域における取り組みを通して看護教育の質の向上の重要性とその方法を学び、自国の看護行政・看護人材育成に活かすことです。プロジェクトのカウンターパートである保健家族福祉省医学教育家族福祉局、バングラデシュ看護助産審議会、対象公立看護大学学長、重点2校の対象連携病院から計13名が研修員として参加しました。研修員は日本の看護の歴史や看護教育制度、看護職のキャリアパス、病院や地域看護などの取り組みを講義や視察から学び、関係者と議論や交流を深めました。
研修プログラム3日目までは東京都で厚生労働省、文部科学省、日本看護協会、日本訪問看護財団、日本看護系大学協議会、日本看護学教育評価機構を訪問し、日本の看護教育の成り立ちや制度、看護職の行政や地域における取り組みを学びました。研修プログラム4日目からは兵庫県神戸市にて大学や病院、地域での取り組みについて講義の受講や視察を行い更に知見を深めました。神戸市看護大学では教育制度や学内実習の様子を学びました。神戸市看護大学の臨地実習先のひとつである神戸市医療センターでは看護学生の臨地実習や看護職の活躍の様子を、神戸市保健所・保健センターでは地域保健の取り組みについて講義を受け、視察を行いました。バングラデシュでは臨地実習の管理・指導体制がまだ整っておらず、地域看護や病院・行政でのキャリアパスが限定的であるため、研修員にとって学びの多い研修となりました。
研修最終日には看護行政、看護教育、病院運営・臨地実習の3グループに分かれ、研修での学びをもとに自国の看護行政・看護人材育成に活かすためのアクションプランを作成し、発表しました。発表会には国内支援委員会の委員長を務める南裕子氏、委員の丸山美津子氏に会場まで足をお運びいただき、今後のバングラデシュの看護教育・臨地実習の発展への期待が寄せられるとのコメントをいただきました。
今回の研修を通し、帰国後早速アクションプラン実施に取り掛かっている研修員もおり、バングラデシュでの看護教育の質向上への効果が期待されます。プロジェクトでは更なる効果を期待し、第2回本邦研修を2024年秋に計画しています。
日本看護協会・日本訪問看護財団訪問
日本訪問看護財団にて訪問看護ステーションの視察
神戸市看護大学での講義後質疑応答セッションの様子
アクションプラン発表会:南裕子国内支援委員会会長からの総評
閉講式での記念撮影