対象看護大学でのアクレディテーション取得に向けた活動
成果1では、看護行政のキャパシティ強化を目指しています。関連する活動として、プロジェクト対象校のアクレディテーション
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取得のための技術支援を行っています。
2024年11月から12月にかけて、対象校6校
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を訪問し、アクレディテーション取得に向け各看護大学の準備状況を確認しました。アクレディテーションには5つの基準(①大学管理体制とリーダーシップ、②学生の受け入れ、③教員と教育内容、④カリキュラムの実施、⑤リソース)があり、各大学では基準ごとにワーキンググループを作ってクライテリアを満たしているかの自己評価の準備を進めています。看護大学は試験期間中で忙しい期間でしたが、今回はワーキンググループごとに準備された書類を確認し、正しい書類が用意されているか、不足書類はないか、必要な情報が明記されているかなどを一つ一つ確認し、アドバイスを行いました。また、各大学が今後、取り組むべき具体的事項をアクションプランにまとめ、アクレディテーション活動進捗を関係者の間で具体的に確認できるようにしています。
アクレディテーション取得に向けた準備状況は、大学により異なっています。例えば、チョットグラム看護大学は、これまでも複数回大学を訪問しており、アクレディテーションに対する教員の知識や理解が深く、求められる基準に沿うような教育環境の整備や提出書類の準備がかなり進んでいます。必要書類の準備がすべて整えば、自己評価を行い、バングラデシュ看護助産審議会(Bangladesh Nursing and Midwifery Council:BNMC)に評価レポートとアクレディテーション申請を提出します。その後、BNMCがレビューチームを編成し、レビューチームによる現地調査が行われる予定です。
一方、ラジシャヒ看護大学やシャヒード・タジュディン・アハメド看護大学は、アクレディテーション業務を担当する日本人専門家にとって今回が初めての訪問になりました。アクレディテーション活動はこれから本格的にスタートします。アクレディテーション取得の目的や進め方を教員が十分に理解し、今後は大学全体で活動を進めていく必要がありますが、教員たちは今回のワーキンググループ作業に積極的に参加し、アクレディテーションに対する理解が深まっている様子でした。
プロジェクトでは、各看護大学のアクレディテーション活動の進捗に合わせて、引き続き技術的な支援を行っていきます。また、すでにアクレディテーションを取得しているフェーズ1の対象校であるダッカ看護大学や、アクレディテーション申請の準備が本格的に進むフェーズ2の重点対象看護大学2校(シェレバングラナガル看護大学、マイメンシン看護大学)、今回訪問した6校の間で、経験共有の機会を今後設ける予定です。アクレディテーション取得に向けた各看護大学の具体的な取り組みや教訓について、関係者で共有し学び合う場を持つことで、各看護大学のアクレディテーションに対する知見がより深まり、看護教育の質の向上につながっていくことが期待されます。
*1アクレディテーション:外部の認証機関によって設けられた一定の基準に沿って、教育機関が内部また外部審査者によって客観的かつ体系的に審査されることで、教育の質を保証し、質の改善に役立てるための制度。看護大学に導入することで専門職の質の保証に繋がるため、バングラデシュでもバングラデシュ看護助産審議会(BNMC)を中心にアクレディテーションプログラムの導入が進められてきた。
*2プロジェクト対象看護大学6校:チョットグラム看護大学、シレット看護大学、ラジシャヒ看護大学、ロンプール看護大学、バリサル看護大学、シャヒード・タジュディン・アハメド看護大学。本プロジェクトでは上記6校に加え2校の重点対象看護大学に対して支援を実施している。
チョットグラム看護大学
ワーキンググループ(基準1)の様子
チョットグラム看護大学
ワーキンググループ(基準3)の様子
シャヒード・タジュディン・アハメド看護大学の校舎
ラジシャヒ看護大学
ワーキンググループ(基準5)の様子