重点2校のアクレディテーションのためのレビューチームサイト訪問
本プロジェクトでは、ダッカ管区のシェレバングラナガル看護大学(College of Nursing, Sher-E-Bangla Nagar:CONSBN)と、マイメンシン管区のマイメンシン看護大学(Mymensingh Nursing College:MNC)を重点的に支援する2校とし、看護教育の質向上のための様々な活動を実施しています。バングラデシュ看護助産審議会(BNMC)が、看護教育の質担保のため、基準をクリアした看護大学・看護学校にアクレディテーションのステータスを付与しており、プロジェクト開始以来、CONSBNとMNCのアクレディテーションのための支援を実施してきました。
アクレディテーションのプロセスでは、看護教育機関がBNMCにアクレディテーション基準に基づく自己評価レポートとアクレディテーション申請を行い、これを受け、BNMCが研修を受けた看護教員や看護行政官などからなるレビューチームを編成します。レビューチームは看護教育機関の自己評価レポートの分析の後、教育機関を訪問して自己評価レポートに沿って状況を確認します。これがサイト訪問です。サイト訪問では、アクレディテーション項目に沿った聞き取りや提出すべき添付資料の確認に加え、学長、教員、学生、臨地実習指導者へのインタビュー、講義・実習・臨地実習の視察、施設状況の確認が行われます。その結果を踏まえ、レビューチームは報告書を作成し、BNMCに提出することになっています。
昨年から今年にかけてCONSBNとMNCがアクレディテーション申請を行ったことを受け、プロジェクトでは、レビューチームとのサイト訪問準備とサイト訪問を支援しました。同じレビューチームがCONSBNとMNCのサイト訪問を実施することになり、Noorbanu Ismail BIHS看護助産学校長(CONSBN元学長、チームリーダー)、ダッカ看護大学教員、看護・助産総局(DGNM)職員でレビューチームが編成されました。レビューチームは自己評価レポートの分析と不明点等の洗い出し後、3月4日、5日にMNC、4月29日と5月4日にCONSBNのサイト訪問を実施し、プロジェクトはこれに同行し、支援しました。
アクレディテーションは、看護大学にとっては内外に向けアピールできる大きな実績になりますが、教員自らが各アクレディテーション項目を実施できているかを適切に評価し、その根拠となる添付書類を揃え、また、レビューチームを迎えてその作業を客観的に振り返るプロセスが看護大学の教育の質向上に寄与すると考えられます。プロジェクトではその観点から、アクレディテーションのための準備作業を、時間をかけ伴走支援してきました。教員が本来業務を実施しながら自己評価を進める労力は膨大で、微に入り細を穿つプロジェクトの要求に対し、教員から不満を示されることもありましたが、MNCとCONSBNのサイト訪問ではレビューチームは両校の綿密な準備作業を評価していました。サイト訪問はしばしば長時間にわたり、終了時間が午後6時を過ぎることもありましたが、教員は熱心にレビューチームと意見交換を行い、訪問終了時のデブリーフィングでは充実した表情を見せていました。
レビューチームはその後、MNCとCONSBNのサイト訪問レポートを作成し、レポートと添付資料の最終版がBNMCに提出される予定です。BNMCでの意思決定委員会での協議により、両校にアクレディテーションのステータスが付与されるか、付与される場合どのようなステータスになるか(1年有効の1つ星から5年有効の5つ星までの5段階)が決定されます。そのため、現時点での評価はできませんが、少なくとも、準備過程がCONSBNとMNCにとって有意義な機会となったこと、そして、きっと両校に良い結果がもたらされることを確信しています。
レビューチームとプロジェクトによる大学の自己評価レポートレビュー
マイメンシン看護大学学長へのレビューチーム聞き取り
シェレバングラナガル看護大学の実習室視察