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ディセミネーションセミナーの開催―CBNSモデルの発信と、MTの成長の軌跡―

プロジェクト終盤となる2026年5月14日、Bangladesh-China Friendship Conference Center(BCFCC)において、ディセミネーションセミナーを開催しました。本セミナーは、成果4「看護大学及び関係機関のネットワークが強化される」に関連した活動の一つとして実施されたもので、対象機関以外にも本プロジェクト(CBNS-II)の活動内容や「CBNSモデル」を広く共有し、看護大学・関連機関間のネットワーク強化と活動のさらなる普及を図ることを目的として開催されました。

当日は、看護・助産総局(DGNM)、バングラデシュ看護助産審議会(BNMC)、国立高等看護教育研究機関(NIANER)、バングラデシュ看護協会、他ドナー機関、対象看護大学・連携病院関係者に加え、対象機関でない公立・私立の看護大学・病院関係者、メディア関係者など161名が参加しました。政府による移動制限の影響から、一部参加者はオンライン参加となりましたが、30名がオンラインで参加し、プロジェクト対象外の公立看護大学・学校からは33校の参加がありました。

本セミナーの主役となったのは、プロジェクトを通じて育成してきたマスタートレーナー(MT)でした。本プロジェクトでは、対象看護大学と病院双方のMT育成を進めてきましたが、特に病院所属のMTの多くは、MT研修を実施した当初は、大人数の前で発表したり議論を進行したりする機会が少なく、自信なさそうな様子が目立つこともありました。しかしその後、大学のMTも病院のMTも、自らが講師となってファカルティ・ディベロップメント(FD)研修や臨地実習指導者(CNT)研修を担うなど、所属先機関をリードする立場で様々な活動の経験を積み重ね、本セミナーでは100名を超える参加者を前に、限られた時間の中で堂々と発表を行い、パネルディスカッションや質疑応答にも的確に対応する姿を見せていました。その成長は、プロジェクトが目指してきた「現場で学び、現場で教え、現場で支える人材育成」の成果そのものでした。

セミナーでは、フェーズ1*1からフェーズ2にわたる活動を通じて構築された「CBNSモデル」が紹介されました。CBNSモデルは、①カスケード方式研修による能力強化とローカライゼーション、②参加者の学習効果を高めるアクティブラーニング手法、③看護大学と病院の連携、④対象機関同士の交流による標準化と質の向上、の4つの要素から構成されています。発表の大役を担った対象8地域の代表MTは、それぞれFD研修やCNT研修、病棟研修、デブリーフィング、大学・病院間調整委員会、相互訪問、アクレディテーション活動などの具体的な実践例を紹介し、CBNSモデルが現場でどのように機能してきたのかを自らの言葉で発信しました。

本セミナーを通じて、非対象機関への波及が着実に進んでいることもうかがえました。非対象看護大学・学校からの参加者は、オンライン参加を含めて最後まで熱心に聴講し、活発な質問や意見交換が行われました。セミナー後には、非対象看護大学の学長が、活動内容についてさらに詳しく知りたいと相談にプロジェクト事務所を訪れたほか、複数の機関から資料提供依頼や問い合わせが寄せられました。また、対象連携病院の一つであるシャヒード・スフラワルディー医科大学病院では、MTやCNTによるきめ細やかな実習指導が評判を呼び、ダッカ内外の公立・私立看護大学から臨地実習を希望する学生が増加しているなど、プロジェクトの取組は対象機関の枠を超えて広がりを見せ始めています。

本セミナーは、CBNSモデルを紹介する場であると同時に、育成されたMTたちが自らの経験と成果を自らの声で発信する重要な機会となりました。そして、その発信は新たな関心とつながりを生み、対象機関の外へと広がり始めています。プロジェクトはまもなく終了を迎えますが、そこで育まれた人材と実践知は、今後もバングラデシュの看護教育・看護実践の発展を支える力として受け継がれていくことが期待されます。

*1フェーズ1はダッカ看護大学とダッカ医科大学病院を対象に2016年から2021年にかけて実施された。

パネルディスカッションの様子

100名以上の参加があった

保健家族福祉省(MOHFW)次官補の挨拶

活動を共にしたMTとの記念写真