SHEP対象農家の視察研修を実施しました
SHEP対象の6グループの農家リーダー16名、普及員6名が、9月28日(木)にプンツォリンのFood Corporation of Bhutan Limitedの卸売市場を、29日(金)に国立種苗センターパロのJewphu農園、農業機械化センター、そして国立ポストハーベストセンターを訪問しました。この研修は、農産物の生産から消費までの流通過程における付加価値の繋がりを学び、農家が正確な情報に基づいて適切な意思決定を行えるようにすることを目的として実施されました。
1日目に訪れたインド国境に位置するプンツォリンの卸売市場では、インドの買付け業者が参入しており、農産物の品質や大きさを選別することが価格を上げる重要な要素であることを学びました。9月29日からはインターネット・オークションが開始され、ネット上で農産物の売買や、ジャガイモについては卸売市場の選別機の利用が可能となり、農家側の輸送費用、選別にかかる人件費の削減にもつながる有益な情報も得ることができました。
2日目に訪問した果樹苗を生産・販売する国立種苗センターJewphu農場では、まず農場長から概要説明を受け、その後は、果樹農家から病害虫、品種特性、栽培方法についてなど多くの質問が飛び交いました。また、くん炭作成や、そのくん炭やぼかし肥料を使った土壌改良やイチゴの苗づくりの実演も見学しました。農業機械化センターでは、農作業負担を軽減する農業機械に関する情報を、国立ポストハーベストセンターでは、リンゴの冷蔵貯蔵システムや農産物加工について学びました。
2日間の視察を終え、農家は日常に抱えていた業者への間違った情報を修正し、新しい知識も得ることができました。この学びは各農家グループのメンバーに共有され、各グループが選定した農作物の生産に生かされることになります。
次なるアクションとして、プロジェクトは、農家グループと市場関係者の意見交換及び関係構築の場としてマッチングフォーラムを10月中に開催する予定です。
様々な疑問を卸売市場長へ問う農家の女性
農家による卸売市場関係者への聞取り調査
くん炭を活用した育苗用培養土の説明
参加者の集合写真