農家へのジェンダー啓発研修を実施しました

3月にジェンダー啓発トレーナー向け研修(ToT)を終え、ToTを受講した普及員による農家へのジェンダー啓発研修が、4月9日にティンプー県のMewang Gewog、4月10日にパロ県のLamgong Gewogで実施されました。対象となる農家への研修は、各家庭で3年から5年後のビジョンを設定し、家庭内のジェンダー格差を認識し、ビジョン達成のために必要な変化について、家庭で話し合い支援し合うことを目的として実施されました。
両地域ともに、※参加した農家はビジョニングの実施には手間取っていたものの、Access and Control、Daily Activityなどのジェンダー分析ツールでは大いに盛り上がりを見せました。家畜(牛)の世話は重労働なので、決定権を含めすべてを男性に任せたいと女性からの意見が出たり、果樹の整枝剪定作業はハサミやノコなどの刃物を扱い、高いところに上り危険なため、女性は一切手を出さないのが慣例との発表もありました。一方、果樹栽培においては、果樹価格は事前に夫婦で設定する、市場まで運搬するなど、男女の差なく活動をしているという事例がでました。
ブータンの西部地域では、男性が用途についての決定権を持つものの、主に土地や現金の管理は女性が行う傾向にあります。農作業では、野菜栽培とその換金収入は女性が、果樹栽培に係る作業や市場への出荷・換金収入は男性が行うのが特徴で、生活の中で男女の役割はバランスよく機能しています。このようなブータンのジェンダーバランスが、より生計向上に向けた効果的な営農活動につながるよう、プロジェクト活動において、ジェンダー平等と女性のエンパワメントを引き続き推進していきます。

※2か所の各研修において、参加した農家の男女比は、約1:2(男性5名、女性9から11名)

1.普及員によるジェンダー講義(Mewang)

1.普及員によるジェンダー講義(Mewang)

2.女性のDaily Activity発表(Mewang)

2.女性のDaily Activity発表(Mewang)

3.研修の様子(Lamgong)

3.研修の様子(Lamgong)

4. ビジョニング実施の様子(Lamgong)

4. ビジョニング実施の様子(Lamgong)