産後出血対応のためのオンライン研修をパンジャブ州内全域で緊急実施
パンジャブ州内で2025年6月に産後出血による妊産婦死亡が2件発生したことを受け、州保健局は即座に次の重要な対応を緊急で実施しました。
産後出血対応の研修を州内全分娩対応施設の全職員へオンラインで実施
州保健局は事態を深刻に受け止め、プロジェクトに対し、産後出血対応にかかるオンライン研修の実施を緊急に要請しました。 これを受け、プロジェクトではパンジャブ州の全1132か所の一次保健医療施設(普通分娩を24時間取扱う)の男性・女性医師と助産関連職員の全員を対象に、3時間の産後出血対応オンライン研修を5回行い、合計で約3300名に研修を実施しました。
講師は当プロジェクトで養成したSBA研修マスタートレーナーが中心となり、プロジェクト対象地域の熟練分娩介助者への技術研修で作成した教材スライドと、供与機材の母体・新生児マネキンを用いて、画面越しではありますが、できる限り技術が伝わるように工夫して説明しました。
州保健局による研修管理
研修は州保健局保健情報管理部門職員が Learning management system(LMS)を用いてライブ配信すると同時に録画を行い、LMSに研修動画と教材がアップロードされました。
当プロジェクトが熟練分娩介助者への技術研修で作成した、産後出血対応のプレテスト・ポストテストが、今回のオンライン研修生の理解確認のために活用され、州保健局が責任を持って研修生の学習管理を行っています。
緊急研修に参加した州保健局の局長からも同研修に対し、高い評価を得ており、当プロジェクトで作成した他の研修教材(新生児蘇生等を含む約7トピック)もLMSに掲載するよう要望があり、対応をおこなっています。
州保健局による死亡検討会の実施
パンジャブ州は妊産婦死亡が生じたことを重く受け止め、州保健局は死亡検討委員会(Maternal Death Review)を招集し、検証を行っています。今後、さらなる対策が重要であることを認識し対応にあたっています。
プロジェクトでは引き続き、パンジャブ州の母子保健改善のため、州保健局のニーズに寄り添い、技術協力を続けていきます。