サーキュラーエコノミーへの貢献に向けたアグアヘ残渣養魚飼料の試作(2026年3月)
アグアヘ(Mauritia flexuosa)は、果実全体のうち果皮と種が最大70%を占めるため、加工の過程で大量の残渣が発生します。これらの残渣には、食物繊維、フェノール化合物、カロテノイドが含まれていますが、現在は多くが廃棄されています。ロレト州では年間2万トン以上のアグアヘが流通しているため、それに伴う残渣は少なくとも数千トン規模と考えられます。
この状況を踏まえ、プロジェクトでは、アグアヘ残渣(果皮)と、別のアマゾン浸水林非木材産品であるウングラウイ(Oenocarpus bataua)の残渣を活用した養魚用ペレット飼料を試作しました。試作は、ペルー政府生産省の生産革新・技術移転センター(Centro de Innovación Productiva y Transferencia Tecnológica:CITE)において、プロジェクトの協力パートナーであるアグアヘ果肉加工企業 Negocios Agroindustriales Loreto S.A.C.(D’Souza)と連携して実施しました。
飼料は、アグアヘ残渣を23%配合し、そのほかに魚粉、大豆、米ぬか、キャッサバでんぷん、糖蜜を加えて作られました。水分を含む原材料1kgから、約600gの乾燥飼料が得られました。たんぱく質含有量は30~32%で、稚魚期の魚に適した内容です。
乾燥飼料1kgあたりの生産コストは約5.26ソルで、市販飼料とほぼ同程度です。養殖では、配合飼料が全体コストの50~60%を占めます。さらに、ロレト州で使われる飼料の多くは遠く離れた海岸地域から運ばれるため、輸送費が価格に大きく影響します。そのため、現地の材料を活用した本飼料は、価格や供給の安定化に加え、残渣の有効利用や輸送に伴う炭素排出の削減の面でも、高い可能性を持っています。
今後は、この飼料を魚に3か月間与える試験を行い、成長、飼料効率、生存率を評価する予定です。その結果をもとに配合を調整し、アグアヘ残渣の適切な配合を検討していきます。
アグアヘの利用・加工に伴い発生する残渣(果皮・種子)
CITE での養魚用ペレット飼料試作の様子