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地質調査及びモニタリングの実施

フィリピンでは地すべり・斜面崩壊等による道路の交通遮断が毎年のように発生しています。そのため、公共事業道路省は安全で安心な国道の確保、持続可能な国土開発に日夜、取り組んでいるところです。JICAではこうした道路斜面防災の対策・管理能力強化を目指して「山岳地域における道路防災プロジェクト」を実施中であり、その活動のなかで、2箇所の選定された危険度の高い道路斜面に対して実際に斜面災害対策工事を実施します。現在は、現地での地質調査および斜面の動きを観測するモニタリングを進めています。

斜面災害対策工事の対象となる斜面はRO CAR管轄内とRO VII管轄内にそれぞれ1ヶ所ずつ選定されました。地質調査は、現地の地質状況だけでなく、災害が発生する可能性のある範囲および形状の特定、地質的特性を把握するために実施します。現地での調査は、地質技術者による地表踏査に加え、地中の地盤状況を把握するためのボーリング調査と物理探査を行っています。また現地で採取した地盤の試料を用いた室内土質試験を実施し、地盤の物理的/力学的特性を把握する計画です。同時に、斜面の動きを観測するモニタリング調査も実施しています。モニタリング調査の目的は、不安定な斜面の範囲及び深さの推定や動きの把握に加え、斜面の安定性に大きく関係する斜面内の地下水位や降雨量などを計測することです。特に、フィリピンでは台風シーズンの豪雨時に斜面崩壊が多く発生していることから、斜面の動きと降雨量の関係性を検証することはとても重要になります。現地ではこれらのデータを習得するために各種の計測機器を設置しています。

2箇所の対象斜面での調査・モニタリングの計画は、DPWHと現地を確認しフィリピンで実施可能な手法を基に策定をしました。またボーリング調査や物理探査、室内土質試験はDPWHが委託した民間業者が実施しています。またモニタリング機器の設置は、日本から供与されたモニタリング計器を、日本人技術者の指導を基に、委託された民間業者が実施しました。設置後の計測はDPWHが実施し、定期的にモニタリングデータを取得しており、データを取りまとめる作業を行っています。

現在実施中の地質調査・モニタリング調査が終わったのちに、調査で得られた結果を分析し、現地斜面で想定される斜面崩壊のメカニズムを推定します。斜面崩壊のメカニズムから災害発生の原因と要因を特定し、それらを改善および排除することで斜面の安定性を確保することが斜面災害対策工の目的となります。したがって、調査の後には、基本設計の段階で採用する斜面災害対策工の検討を行い、それぞれの斜面に適用すべき対策工を選定します。対策工が決定したら、その後は詳細設計で、より詳細な設計作業を行うことになります。

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調査内容の現地確認

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簡易貫入試験実施状況

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ボーリング調査

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物理探査(電気比抵抗探査)

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計測機器(雨量計)設置状況

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モニタリング計測(孔内傾斜計)状況