日本の農薬管理および食品安全に関する本邦スタディツアーの実施
2024年11月、AJFVCプロジェクト成果2の一環として、日本において食品安全および衛生植物検疫(SPS)規制に焦点を当てたスタディツアーが実施されました。本ツアーには、ブルネイ・ダルサラーム、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイのASEAN6か国から計12名の代表者が参加し、10日間にわたって東京および札幌で農薬管理や残留農薬分析、食品安全基準に関する知見を深めました。
プログラムは11月18日より開始され、日本の農林水産省による講義が行われました。講義では、日本における食品安全保障のための規制アプローチ、SPS措置の実施、日本産農産物の輸出促進について説明が行われました。続いて、農林水産消費安全技術センターを訪問し、農薬登録および農産物中の残留農薬検査における重要な役割について学びました。
また、参加者はJA東京むさし管内の2つの農場も視察し、JAが運営する新鮮な地場野菜が購入できる直売所など、地域におけるバリューチェーンの仕組みについて理解を深めました。さらに、日本最大の農業協同組合であるJAと農家との間における各種サービスおよび規約についても学びました。
後半には札幌へ移動し、北海道における農産物流通を担うホクレン農業組合連合について学ぶとともに、同組織が保有する残留農薬分析ラボを視察しました。ツアーの最後には、新篠津村および大塚ファームを訪問し、有機農業および持続可能な農業の実践について理解を深めました。
スタディツアーの締めくくりとして、参加者は今回の訪日研修で得られた教訓・事例をそれぞれの国で活用するための提言を成果として発表しました。フィリピン農業省植物産業局のイメルダ氏は、本ツアーについて「特に印象に残ったのは、北海道およびホクレンにおける残留農薬検査の取り組みと、JAによる食料安全保障の確保に関するセッションです。いずれも現在の私が所属するラボ業務と密接に関連しています。今回紹介されたラボの取り組み内容が、私たちのラボとほぼ同様であることを確認でき、大変有意義でした。共有された教訓事例や知見は、今後ラボの取り組みをさらに向上させる上で貴重なものです。」とコメントし、帰国後、所属先のラボにおける更なる改善意欲を示しました。
本スタディツアーは、参加者が日本の農薬規制への理解を深めるとともに、公的および民間の先進的な農業関連機関における最新の分析機器や手法を学ぶ貴重な機会となりました。今後は、各国におけるラボ実務への応用と改善が期待されます。
ツアー最終日の成果発表を無事に終え、参加者一同の集合写真