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他人事ではない!コンゴ民主共和国の貧困問題の解決を目指して~日本の経験を活かした職業訓練を通じて~

戦争や紛争と聞くどのような国・地域が連想されますか?報道で頻繁に耳にするウクライナやパレスチナを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。実はアフリカ中部でも、本年1月、反政府武装勢力がコンゴ民主共和国東部の主要都市を制圧し、700名以上もの市民が虐殺されたと言われています。

この出来事は遠いアフリカの話であり、「日本とは関係ない」と感じるかもしれません。しかしながら、今、みなさんが使用しているパソコンやスマートフォンの多くは、コンゴ民主共和国などアフリカで採掘されたレアメタルが欠かせません。このレアメタルが貧困や紛争の一因を担っているのであれば、この問題は私たちに無縁と言えるのでしょうか。

ダイヤモンド、金、銅、タンタル、コバルトを始めとする豊富な鉱物資源に恵まれているコンゴ民主共和国、特に東部では、数多くの反政府武装組織が活動しており、違法に採掘された鉱物資源が彼らの資金源になっているという情報もあります。

今なお、情勢不安や高い失業率(不完全雇用率は50%以上)、貧困が蔓延しているコンゴ民主共和国に対し、JICAはコンゴ民主共和国国立職業訓練機構(仏:Institut National de Préparation Professionnelle , « 略称:INPP » )への支援を通じて、職業訓練を通じた社会復帰・就業支援を支援し、紛争の根本的な要因である貧困・格差の解消を目指してきました。これまで、自動車整備、溶接、冷凍空調といった技術分野の支援に加え、訓練管理サイクルや5S/カイゼンといった日本生まれの手法を導入し、INPPの能力強化を支援してきました。その結果、INPPの指導員および管理部門職員の能力が向上しつつあります。2025年現在、これまで育成してきた人材を中心として、日本人専門家など外部の協力がなくとも、INPPが継続的に能力を維持・向上させられるよう、組織運営能力強化を支援しつつ、新たな産業分野における訓練開発が可能になるように支援しています。
プロジェクト概要 | 国立職業訓練機構能力強化プロジェクトフェーズ2 | 技術協力プロジェクト | 事業・プロジェクト - JICA

新たな訓練を開発するうえで、雇用創出や経済発展に貢献するには産業ニーズに応じた人材育成が求められます。上記のとおり、コンゴ民主共和国には豊富な資源があり、この分野の技術、特に重機操作(掘削機ローダーなど)の技術を持つ人材が必要とされています。重機操作の指導ができる指導員を増やすためには、訓練が欠かせませんが、プロジェクトでは、日本の経験を参考にしながらINPPとともに「新たな指導員育成のための執務要領(TOT執務要領)」の作成も支援しています。

2025年2月~3月には、日本人専門家の協力を得て作成したTOT(指導員研修)執務要領案に沿って重機操作の研修を指導員に対して実施しました。その結果、新たに重機操作の指導員9名が誕生し、「安全や環境に配慮して操作できるようになった。学んだ技術を惜しみなく訓練生に伝える」とコミットメントが示されました。また、INPPの研修モニタリング担当は日本人専門家とともに、研修を受講した指導員からのフィードバックを踏まえて、重機操作の訓練モジュールを改善しました(写真2:重機操作にかかる研修の様子)。

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写真2:掘削機ローダーの操作指導を学ぶ指導員
(2025年2月)

上述の研修後、INPP職員と日本人専門家は、TOT執務要領を完成させるため約2週間に亘る議論を重ねました(写真3:日本人専門家とINPP関係者がTOT執務要領の内容を議論する様子)。特に重機操作の研修モニタリングを担当したINPPのTOT課にモニタリングレポートを作成してもらったり、トレーナーから執務要領案を使用した感想・課題について発表してもらったりし、研修内容だけではなく研修の調整や実施体制といった細かい内容までフィードバックを反映することができました。

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写真3:日本人専門家とINPP関係者がTOT執務要領の内容を議論する様子
(2025年3~4月)

私たちは引き続き、新たな産業ニーズへ対応するためのモデル作成などの活動を予定しています。これらの活動を通じて、本プロジェクトが長期的にコンゴ民主共和国における紛争の根本的な要因である貧困・格差の解消に繋がることを願っています。