About Machine Translation

This site uses machine translation. Please note that it may not always be accurate and may differ from the original Japanese text.
This website uses a generative AI

授業の質改善につなげるオンラインCPDの取り組み

1.ルワンダの教員養成を支える「オンラインCPD」

CPD(Continuous Professional Development:継続的職能開発)とは、教師が授業の質を高め続けるために行う学びの取り組みであり、授業研究や研修、教材研究などを含む幅広い活動を指します。ルワンダのPRISMプロジェクト(ICTを活用した初等理数科学びの改善プロジェクト)では、これをICTと結びつけた“オンライン型の授業研究”として発展させています。

PRISMプロジェクトは、全国16校の教員養成校(TTC)と協力し、2023年4月にオンラインで実施するCPDを開始し、2024年10月からは、附属校で行われた教育実習生の授業動画を活用した「授業動画を使った授業研究会」へと発展させています。

現在ルワンダでは、週に2 限(80分)のCPD を実施することが定められています。このうち少なくとも月1 回は、PRISMプロジェクトに係る活動としてオンラインCPDを実施しています。オンラインCPDは、距離の制約を超え、TTC同士が互いに“学び合う文化”を育てる、新しい取り組みです。

2.オンラインCPDの仕組み:授業を“見える化”して学び合う

■ 授業録画を活用した新しい学習サイクル

PRISMで実施するオンラインCPDでは、附属校で行われた教育実習生の算数や理科の授業を録画し、その動画をYouTubeで共有します。オンラインCPDに先立ち、参加者である指導員や教務主任が動画を視聴し、次のような観点からタイムスタンプ付きでコメントを残します。

  • 児童の反応
  • 教師の発問(問いの設定、授業の振りなど)
  • 黒板や教材の使い方

このように、授業の様子を“見える化”しながら丁寧に分析することで、オンラインであっても具体的な場面に基づいた授業研究ができる仕組みになっています。さらに、指導員がコメントを通して授業の見方や指導の観点を深めることで、実習生への助言の質が高まり、結果として実習生の授業改善にもつながります。オンラインCPDは、指導員自身の指導力向上と実習生の授業改善の双方を支える取り組みとして位置付けられています。

photo

オンラインCPDの仕組み

■2025年、各TTCによる“自走型CPD”へ移行中

オンラインCPDは、次の3段階で発展させています。

【Step 1】PRISM主導(2024年10月〜2025年5月)

  • PRISMが授業動画の選定とオンラインCPD全体のファシリテーションを担当
  • 指導員が授業分析の進め方やコメントの仕方に慣れていく段階

【Step 2】TTCへの段階的移行(2025年6月〜2026年1月)

  • 各TTCが月替わりでオンラインCPDを主催
  • 各TTCが授業動画の提供、進行役、議論の促進を担当

【Step 3】開かれた学びのコミュニティへ(2026年2月〜)

  • 附属校の教師やTTCの卒業生も参加できる「公開型オンラインCPD」へと拡大
  • 地域間の教育格差の縮小や、卒業後も継続して学び合える仕組みづくりにつなげ、持続可能な学びのコミュニティへと発展

photo

オンラインCPDの事前に
授業動画を視聴する指導員の様子。

photo

指導員がオンラインCPDに
参加している様子。

3.オンラインCPDで見えてきた成果

オンラインCPDを継続するなかで、指導員が授業を振り返る視点に少しずつ変化が見られるようになってきています。授業動画をもとに、児童の反応や発問、板書・教材の使い方などに注目してコメントを残すことで、これまで漠然としていた「良い授業」が、具体的な場面に基づいて語られるようになりつつあります。こうした変化は、実際にオンラインCPDに参加している指導員や教務主任の声にも表れています。

TTC Nyamata指導員の声

オンラインCPDを通じて、教育実習生がどのように授業を行っているかを共有し、授業動画を用いた振り返りとフィードバックによって、その実践を強化することができています。セッション中は、革新的な指導法を交換し、学習活動を改善し、ICTツールを効果的に活用することができています。また、他のTTCがどのように取り組んでいるかを知ることで、自校のアプローチを見直し、より良い成果を目指して改善することにもつながっています。このような協働的な形式は、自身の能力を高めるとともに、授業づくり全体の質を高められると感じています。

TTC Mbuga教務主任の声

これまで実施してきたオンラインCPDは、非常に有益なものでした。オンラインでつながることにより、移動時間をかけずに他のTTCと定期的に意見交換ができ、教官たちは同僚から多くのことを学び、優れた実践を共有することができています。また、学校リーダーとしても、オンライン上でどのように議論が進み、誰がどのような視点で授業を見ているのかを把握することができ、そうした活動をどう支援し、フォローアップしていくかを学ぶ機会となっています。

一方で、授業動画へのコメントが「良い・悪い」の評価に偏りがちな点や、TTCが主催に移ってから議論の深まりにばらつきが見られる点など、学びの質をさらに高める余地も明らかになりました。これらを踏まえ、今後は授業のどこをどう見るかの観点を共有し、動画共有やオンライン会議をより使いやすくするための仕組みづくりも検討しています。

4.今後の展望:持続可能なCPDのために

2026年には、附属校の教師やTTC卒業生も参加する公開型オンラインCPDへと発展させ、ICTを軸とした、持続可能な学び合いのコミュニティづくりを目指しています。オンラインCPDは、ICTを活かした“新しい職能開発の形”です。地域ごとの課題や学校の違いを超え、全国規模で授業改善の文化が少しずつ育ち始めています。今後も、このオンラインCPDの取り組みが各TTCに根付き、PRISMプロジェクト終了後も継続していけるよう、教育省やTTCと協力しながら、授業の質の向上と学びの改善に向けた支援を続けていきます。