第14回母子手帳国際会議に参加しました
第14回母子保健手帳国際会議ならびに第1回母子保健地域会議が、2024年5 月9 日から10日にかけてフィリピンのマニラで開催されました。本プロジェクトでは、母子保健・栄養・非感染性疾患(NCDs)対策の促進に力を入れており、母子保健サービスの質の向上では母子手帳の活用が1つの鍵となっています。そこで、各国の母子手帳に関する政策担当者と情報交換を行い、他国の優れた事例を学ぶために、プロジェクトカウンターパートの保健社会保護省の医師1名と家庭医学センターの医師1名をこの会議に派遣しました。
母子手帳国際会議とは、1998年の東京でのシンポジウムから始まった、世界各国で2年ごとに開催される母子手帳・母子保健に関する国際会議です。第14回会議では「効果的な母子保健サービスと母子保健手帳によるユニバーサルヘルスケアの確保」のテーマのもと、「母子保健と母子手帳に関する世界的な取組み」「母子死亡率改善への取組み」「効果的な母子保健ケアに向けて」の3部構成で発表・意見交換が行われました。各国の発表では、フィリピンのコミュニティヘルスワーカーによる家庭訪問時の栄養指導や、アンゴラの全国規模の母子手帳利用に向けた国家戦略、ブルンジの母子手帳の受給率向上と有効活用のためのタスクフォース設置、ガボンでの母子手帳活用による妊産婦死亡率・新生児死亡率・乳児死亡率の減少に向けた取組みなどが紹介されました。
本プロジェクトでは、参加者2名とともに事前オリエンテーション、会議期間中の振返りセッション、報告書の作成を行いました。会議前は2回にわたりタジキスタンでの母子手帳の普及の課題と会議で得たい学びを整理し、振返りセッションでは各発表からの学びを確認しタジキスタンで参考となる取組みについて意見交換を行いました。特にフィリピンの栄養改善の事例に関心が集まり、参加者からはタジキスタンでの家庭訪問対象者を母子や高齢者に加え世帯全体に広げることや、母子手帳を生活習慣病予防対策に活用することが提案されました。準備・参加・振返りの過程を通じ、プロジェクト全体で多くの気づきや学びを得られた会議参加となりました。
母子手帳を世界中に広げる活動をされている中村先生と意見交換をするプロジェクトからの参加者
会議参加者との記念撮影
会議参加者との記念撮影