タジキスタン国内の先進地域を視察しました
2024年5月31日から6月4日に、プライマリーヘルスケアサービス(PHC)先進地域と言われる、ソグド州ホジェンド市内及び周辺の公的PHC施設を訪問・視察しました。この視察にはプロジェクトのカウンターパートである保健社会保護省から1名、プロジェクト対象地域の村落ヘルスセンター(RHC)長の医師2名、日本人専門家が参加し、施設見学やPHC従事者からのヒアリング、PHC従事者間での意見交換等を行いました。
ホジェンドはタジキスタン北部に位置するソグド州の州都で、首都のドゥシャンベに次いで2番目に人口の多い都市です。また中央アジアで最も古い都市の1つで、文化と経済が発展しています。この都市には、タジキスタン保健社会保護省が認定する「Excellence of Center」に選出されたソグド州家庭医学センターや、独自予算を確保しNCDsスクリーニング(健康診断)を実施したボボジョン・ガフロフ 郡ヘルスセンター等があり、PHCに関する活動が積極的に行われています。
訪問した施設のうち特にソグド州家庭医学センターでは、十分な数の家庭医や家庭訪問看護師が配置されており、各部屋に必要な医療機器や医療設備が整備されていました。またUNICEFが作成した電子母子手帳「Bebbo」が活用され、パソコン・ルームが設置される等、電子化を意識した取組みも見受けられました。人員や予算、設備の充実度の違いを感じた一方で、医療情報に関するポスターの適切な掲示、備品の適切な管理、部屋の整理整頓など、プロジェクト対象地区ですぐに取り入れられそうな工夫も見つかりました。視察に参加したRHC長は熱心に掲示物等を撮影し、自身のセンターでも取り入れていきたいと話していました。
今回のプロジェクト対象地域以外のPHC関連施設の視察で、様々な学びやヒントを得ることができました。これらを活かし、対象地域でのPHCの質の改善に向けて今後も活動を進めていきます。
ヨヴァRHCの診察室を見学。室内が整理整頓され、掲示物が見やすく掲示されていた。
デフミRHCでヒアリングと意見交換。3名のRHC長がPHC促進の難しさや工夫などについて情報交換を行った。
RHCのカルテ室。紙データによる患者管理だったが、整理整頓され、患者データがすぐに見つかりやすく工夫されていた。
FMCのパソコン・ルーム。オンライン研修・会議が行える機材が配備されていた。