第4回 保健社会保護省・専門センター職員向けの本邦研修を実施しました
2025年8月末~9月初旬にかけて、タジキスタン保健社会保護省や共和国家庭医学センター、共和国栄養センターなどの専門センターの専門家ら計10名が来日し、JICA中部(愛知県)で本邦研修に参加しました。今回の研修の目的は、本プロジェクトがパイロット地域で進めてきたNCD(非感染性疾患)スクリーニングや家庭訪問の仕組みを、プロジェクト終了後にタジキスタン全国へ広げることを見据えた「全国展開の行動計画」を策定することでした。
日本の地域保健から実践的な健康づくり対策を学ぶ
研修員は、日本の国・県・市の各レベルでの健康づくりの仕組みを多角的に学びました。
厚生労働省の担当者から、国の健康づくり政策「健康日本21」について直接講義を受け、生活習慣病予防の戦略や目標設定の方法を学びました。また、愛知県より、「健康日本21あいち計画」の講義をいただき、地域特性に応じた取り組みを理解しました。また、名古屋市中保健センターを訪問し、日本の保健師による母子保健活動や家庭訪問、栄養士による栄養指導の実際を学びました。
あいち健康の森健康科学総合センターでは、健康度評価を実際に研修員が体験し、健診結果に基づいた保健指導(減量や食事、運動の目標設定)のプロセスを学びました。また、地域の健康づくりリーダー(ボランティア)との体操を体験するなど、住民へのアプローチ手法を具体的に学びました。
タジキスタンでの全国展開を見据えた行動計画
研修の最終日、参加者は日本の知見とプロジェクトの経験を踏まえて、4つの専門チームに分かれて「全国展開のための行動計画」を発表しました。
・ヘルシーライフチーム:あいち健康プラザで学んだ体操をヒントに、文化的に屋外での運動の機会が限られがちなタジキスタンの女性でも運動が取り入れられるよう、オリジナルの体操動画を作成・普及する計画を発表しました。
・栄養チーム:日本の栄養の取組みを参考に、住民の食事に含まれる塩分や糖分を具体的に測定・分析し、科学的根拠に基づいた栄養啓発活動を全国で展開する計画を策定しました。
・データマネジメントチーム:プロジェクトで開発したNCDスクリーニングのデータ管理システムを、タジキスタンの国家統計情報システムと統合するための具体的な手順とスケジュールを提案しました。
・家庭医学チーム:NCDスクリーニングと統合的な家庭訪問を全国に広めるため、標準化された研修モジュールを開発し、国内の家庭医学センターを通じて医師・看護師を体系的に育成する計画を共有しました。
プロジェクトは、この計画に基づき、タジキスタンの人々がより健康的な生活を送れるよう、全国展開を見据えて引き続き活動を支援していきます。
名古屋市中保健センター視察の様子
あいち健康プラザ視察の様子