統合的家庭訪問の手順書作成に向けて
2024年12月、日本人専門家がタジキスタンを訪問し、対象の村落ヘルスセンターにおいて家庭看護師とともに第3回テクニカルワーキンググループ(TWG)を開催しました。前回のプロジェクトニュースでお伝えした通り、家庭看護師たちはこれまで様々なトレーニングを積み重ね、母子保健だけでなく、タジキスタンで近年問題になってきている生活習慣病(非感染性疾患)の予防も含むなど、対象者の多様なニーズに応じた統合的な家庭訪問を提供できるよう成長しています。
手順書作成の経緯と意義
2024年9月には第2回TWGが行われ、「統合的家庭訪問の手順書」作成プロセスがスタートしました。この手順書の作成には以下のような意義があります。
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業務の振り返りとモデル確立
日々の業務を振り返り、研修で得た知識を基に手順書に落とし込むことで、統合的家庭訪問のモデルを確立する。 -
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一貫した質の高い訪問サービスの提供
スタッフの経験や技術に関わらず、一貫した手順で質の高い家庭訪問を提供できるようにする。 -
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地域を超えた活用可能性
対象の村落ヘルスセンターのスタッフだけでなく、他地域でも同様に質の高いプライマリヘルスケア(PHC)サービスを提供できるよう目指す。
第3回TWGでの成果
今回の第3回TWGでは、第2回TWGで作成した手順書(試行版)を約2か月間実際に使用した結果が共有され、さらなる改善が行われました。家庭看護師からは以下のような前向きな感想が寄せられています。
- 妊婦中心の家庭訪問から、ニーズのある対象者に何をすべきかが明確になった。
- やるべきことが整理され、業務の効率化につながった。
- 新しい看護師が入職した際、手順書を用いた指導が可能になり、教える側と新人双方にメリットがあった。
来年2月には本邦研修が予定されており、第3回TWGの参加者の一部の方が参加します。この研修では日本の経験や知見を学びながら、手順書の最終修正作業を行う予定です。引き続き、統合的家庭訪問の確立に向けた取り組みを進めてまいります。
TWGで前回までの活動を確認している様子
TWGでグループワークをしている様子