第2回運営委員会の開催
2024年3月21日に、サンタクルス県保健局(Servicio Departamental de Salud Santa Cruz、以下「SEDES」)局長招集の下、県保健局職員、5保健ネットワーク 1 の各担当者、病院関係者および日本人専門家など52名が集まり第2回運営委員会 2 (Steering Committee、以下「SC」)が開催されました。委員会では、第1期で実施したベースライン調査の結果の共有、それに基づいたプロジェクト第2期の活動内容に関する協議、プロジェクト指標のベースライン値と目標値について検討が行われました。
[1] オビスポサンティステバンは5つの市、サラは3市、イチロは4市、ワルネスは2市を含む。他方、サンタクルス市内は4分割され、中央、東部、北部、南部、の4保健ネットワークがある。
[2] 四半期毎に開催するほか、必要に応じて随時開催する。委員会では、詳細活動の調整・検討・監督、プロジェクトの活動に関する技術的な意思決定、プロジェクトの運営に関する意思決定、JCCに対して詳細活動の成果報告などを行う。
全体協議
本プロジェクトでは、上位目標(プロジェクト終了以降に達成される目標)「サンタクルスにおいて妊産婦・新生児の健康状態が改善する」、プロジェクト目標(プロジェクト終了時に達成する目標)「対象地域において、保健サービス提供体制の強化を通じて産科・新生児保健サービスが適切に提供される。」を掲げています。これらの目標が達成されるために、下記の3つの成果について取り組んでいます。
成果1:対象地域において、妊産婦・新生児に関するリファラル・転送・カウンターリファラル(Referencia Transfarencia y Contrarreferencia、以下「RTyCR」)の機能が強化される。
成果2:対象地域において、一次及び二次医療施設における医療従事者の妊産婦・新生児のリスクに応じたケア能力が強化される。
成果3:対象地域において、妊産婦死亡疫学サーベイランスシステム国家規定に基づいた分析により原因が明確になり、分析結果に基づいた行動計画が実施される。
第1期にてプロジェクト名称をはじめ、成果や活動内容が一部変更になったことから、本委員会ではカウンターパートや日本人専門家から改めてプロジェクトデザイン、活動内容等の説明をプロジェクト関係者へ行いました。
グループワーク形式での協議
各成果を達成するためにどのような活動を行い、誰が行うのか、具体的な内容についてグループワーク形式で意見交換を行いました。各グループでは、活動を実施する上での課題や現状の整理・理解、活動プロセスについてなどの協議が活発に行われました。
カウンターパートからのコメント
委員会終了後に、サンタクルス県救急調整センター(Centro Coordinador de Emergencias de Salud – Departamental、以下「CCES-D」)長は「全ての関係者が集まるこのような会議は、非常に重要である。RTyCR委員会
1
を活性化するには、JICAの支援は欠かせない。運営委員会での活動は非常に教訓的なものであり、グループワークで各施設のメンバーと交わした合意は最適なものであった。共通していたのは、RTyCR委員会を活性化させ、この課題に直面する医療施設に入った新たな職員に研修を実施することであった。そこで、24時間体制の一次医療施設、都市部と農村部の二次医療施設、そしてここサンタクルス市にある三次医療施設で、RTyCR委員会の機能不全を避けるために、プロジェクトの支援を受け、年に2回、新入職員も含めた職員研修を行うことを決めた。
(中略)我々は、運営委員会で合意された点をフォローしていく。CCES-Dとしては、都市部及び農村部保健ネットワーク・病院の委員会におけるすべてのレベルの支援に感謝する。」と述べました。
今後のプロジェクト全体の計画として、2024年は主に研修実施主体となるファシリテーターを養成するための研修の実施や委員会強化を目的とした研修を開始し、2025年は養成されたファシリテーターが主体となって研修を実施しより広範囲へ研修内容を普及させることを予定しています。
ボリビア側のプロジェクト関係者が主体性を持ってプロジェクトを進めていくことがプロジェクト成功の鍵となります。今後は成果達成に向けて、プロジェクト対象地域における医療従事者への研修や委員会への研修をチーム一丸となって行っていきます。
[1] RTyCR委員会は患者を迅速、適時、安全に医療施設へ移送するために、医療施設間の連携を調整する組織である。プロジェクトでは成果1でRTyCR委員会の機能強化を行う。
委員会終了後に記念撮影をしました。
グループワークを行う様子