第4回運営委員会 開催報告(より質の高い産科・新生児ケア研修へ向けて)
2024年11月に合計4回の日程に分けて第4回運営委員会(Steering Committee、以下「SC」)が開催され、カウンターパート機関であるサンタクルス県保健局(SEDES)関係者をはじめ、計19名のプロジェクト関係者が参加しました。
開催概要
開催日:2024年11月13日、15日、21日、28日
参加機関:三次医療施設(日本病院、女性病院、子ども病院)、SEDES、短期社会保障病院、プロジェクト対象地域の保健ネットワーク(北部、サラ、ワルネス、イチロ、オビスポサンティステバン)
開催目的:一次・二次医療施設のリスクに応じた産科・新生児ケア研修のファシリテーター養成研修(第1カスケード)を実施するにあたっての日程、役割分担、プログラム内容、準備等に関する調整。
協議内容
(1)2024年12月実施予定の二次医療施設向け研修について
妊産婦や新生児の死亡の削減を目指して実施する産科救急研修・新生児蘇生研修(2024年12月2日〜5日)に向け、ファシリテーターの人選および承諾、研修内容・スケジュールの確認、必要な機材・物品の準備について確認を行いました。その後、産科救急、新生児蘇生に関して研修実施前に産科・新生児科の日本人専門家との意見交換を実施し、研修実施時の教授方法の確認、研修時のボリビア側ファシリテーター、日本人専門家との役割分担を検討して、研修準備を行いました。
(2)一次医療施設向け「統合研修」の課題と今後の対応
2021年に「ライフコースに合わせた包括的ケア」の改定版(案)が出されたことにより、新たにコード・レッド対応の一部として産科出血の対応が一次医療施設の役割に追加される予定です。しかし、保健ネットワークの一次医療施設向けファシリテーター候補者はこれらに関する研修を受講していないため、事前に産科ファシリテーターからの研修を受ける必要があるとの共通認識を得ました。
今後の対応として、一次医療施設向けファシリテーター研修は2025年2月に延期し、研修の質を確保するため、研修の内容に産科出血時の対応を含めた研修を行う予定です。
今回の運営委員会を振り返って
第4回運営委員会の開催により、研修実施に向けた以下の取り組みについて委員会参加者の合意形成がなされました。
- 1 . 本研修は、一次・二次医療施設の産科・新生児ケア向上の基礎となる重要なステップであり、二次医療施設の産科・新生児ケア向上と一次医療施設のファシリテーターの養成も含む研修となる。この研修を通じ、二次医療施設のケア向上だけでなく、一次医療施設に対して行う「妊産婦・新生児ケア向上のための統合研修」をより効果的に実施することを目指していくものである。
- 2 . 一次医療施設向けの研修については、「ライフコースに合わせた包括的ケア 2021」の改定版(案)に産科救急が追記されており、その点を踏まえて今後、研修準備を進めていく予定である。
今回の運営委員会開催を通じ、研修の実施に向けた具体的なステップが明確になりました。今後も関係機関と連携し、より質の高い産科・新生児ケアの提供を目指して取り組んでいきます。
新生児科の日本人専門家との意見交換をする様子
産科の日本人専門家と意見交換をする様子
産科医師との協議の様子