第5回運営委員会の開催
2025年2月5日、第5回運営委員会(Steering Committee、以下「SC」)が開催され、カウンターパート機関であるサンタクルス県保健局(SEDES)関係者をはじめ、計40名のプロジェクト関係者が参加しました。
開催概要
開催日:2025年2月5日
参加機関:SEDES、保健ネットワーク、三次病院、二次病院
開催目的:
- プロジェクトの進捗状況、研修計画・実施状況の報告、および今後のモニタリング・スーパービジョン計画について共有する。
- 県・保健ネットワーク・病院/医療施設におけるRTyCR¹委員会の実施状況についてグループワークを通じて、現状の分析と対応策について議論する。
協議内容
(1) プロジェクト活動の進捗状況共有、今後の研修計画とフォローアップ計画について
これまでのプロジェクト活動を振り返りながら、プロジェクト目標達成に向け重要な活動となる医療従事者向けの臨床研修に、適時適切なリファラルに関する内容や妊産婦死亡通告に関する内容も盛り込み、統合していくことを確認しました。 また、研修後に実施を予定しているモニタリング・スーパービジョンについてその概要を共有しました。
(2) グループワーク
事前配布した「RTyCR委員会状況調査表」の回答結果を基に、各保健ネットワークおよび病院レベルにおけるRTyCR委員会の実施状況を分析し、現状の課題とその解決策についてグループに分かれて検討を行いました。また、2023年のベースライン調査からの進捗についても評価を実施しました。
その結果、多くのプロジェクト対象の病院/医療施設においてベースライン調査時と比較してRTyCR委員会の設置および活性化されていることが確認されました。特にモンテーロ三次病院では、病院の開設と同時に委員会の活動がスタートしたことを確認しました。
また、保健ネットワークにおいても、いくつかの保健ネットワーク長の強いリーダーシップのもと、RTyCR委員会の活動が積極的に推進されているところもあり、委員会機能強化に向けた前向きな取り組みが行われています。その一方で、医療施設の予算の制約上、RTyCR担当となる人員配置に限りがあること、委員会の任期ごとによる人員交代や委員会メンバーのモチベーション維持、情報共有の方法など運営上の課題が挙げられました。
今後は、これらの成功事例を参考に、また課題に対する解決策を模索しながら、他の医療施設やネットワークにおける委員会の運営強化を支援していきます。
1 日本語「リファラル・転送・カウンターリファラル」、西語「Referencia, Transferencia y Contrarreferencia」の略
関係者からのコメント
SEDES保健サービス・プログラム部長:
「RTyCRシステムは、保健システムの状態を反映するものであり、大きな問題を抱えている。病院の救急室は飽和状態で、リファラル患者の受け入れができない状態で、望まれる成果を出せてはいない。SEDESとしては国家規定を遵守し、能力開発のプロセスを生み出せるように推進していく。プロジェクトにおける成果3「対象地域において、妊産婦死亡疫学サーベイランスシステム国家規定に基づいた妊産婦死亡分析により原因が明確になり、分析結果に基づいた行動計画が実施される。」に関しては、県妊産婦死亡サーベイランス技術委員会で分析された「3つの遅れ2」についてフィードバックを行い、命の損失を防ぐための行動計画を立てることが主な課題である。県委員会は、病院へのフィードバックを行い、病院内で統合的に解決策を模索しながら、病院レベルで意思決定を行うための重要な柱となる。」
県RTyCR担当者:
「自分たちの現状を把握し、喫緊の課題を特定するこのような分析の場は非常に重要である。」
今回のSCではプロジェクト活動である研修の方向性について確認を行い、また各レベルにおけるRTyCR委員会の進捗状況を確認及び分析を行い、課題への対応策について議論を深めました。今後も関係機関と協力し、医療従事者への研修の実施及びRTyCR委員会の活性化を目指してまいります。
2 第1要因: 妊産婦、家族、コミュニティが危険徴候を認識していなかった。
第2要因: 医療サービスにアクセスするための通信・交通手段が十分に整っていなかった。
第3要因: 医療従事者がいない、医療従事者の能力不足、医薬品や資機材の不足、医療施設の設備が不十分である。
出典:保健スポーツ省 2014 国家妊産婦死亡疫学サーベイランスシステム規定
開会の言葉を述べるカウンターパート機関局長
プロジェクト活動の進捗について発表するカウンターパート機関職員
グループワークの様子
委員会終了後の集合写真