出産を支える「マドリーニャ・ド・パルト」——地域の女性たちの力を高めるために (2025年9月)
2025年9月18日、「出産時付添い『マドリーニャ・ド・パルト』の強化戦略 ― 経験、課題、必要な支援」をテーマに、ソフィア・フェルドマン病院(ブラジル)の専門家とオンライン会議を開催しました。
この会議では、ウアンボ州とウィラ州からの現場報告を交えながら、地域の女性たちが出産を支える取り組みの現状と、今後の強化に向けた方策について意見交換が行われました。
◆ 妊婦を支える「マドリーニャ・ド・パルト」とは
「マドリーニャ・ド・パルト(Madrinha do Parto)」とは、妊婦さんの身近な存在として、出産前後に寄り添い、保健施設での出産を勧めたり、出産中に心の支えとなる地域の女性のことです。彼女たちは、アンゴラ各地で妊婦を自宅分娩から施設分娩へ導く重要な役割を担っており、母子の健康向上に貢献しています。
かつては「伝統的産婆(Parteira Tradicional)」と呼ばれていましたが、現在は保健システムとの連携を強化しながら活動する「コミュニティ産婆(Parteira Comunitária)」や、地域でより親しみを込めて呼ばれる「マドリーニャ・ド・パルト」という名称が広く使われるようになっています。この呼び方の変化には、彼女たちが地域社会において果たす役割が、単なる出産の介助者から“女性に寄り添う支援者”へと進化していることが表れています。
◆ 現場からの声と今後の方向
各地からは、マドリーニャ・ド・パルトたちの活動が施設分娩の促進に役立っているとの報告がありました。
一方で、身分証明の欠如や研修機会の不足、制度的な認知の弱さなどの課題も挙げられました。
今後は、継続的な研修や支援キットの提供、保健施設での公式な位置づけなど、活動を支える環境づくりが重要とされています。
ブラジルの専門家からは、ユニフォームの導入や公式行事での紹介など、社会的承認の工夫が励みになるとの助言がありました。
国家公衆衛生局は、「マドリーニャ・ド・パルト」を既存のコミュニティ保健政策の中に統合する方向性を示し、今後の制度化に向けたアドボカシーを進めていく考えを共有しました。
「出産のそばに寄り添う女性の存在は、母と子の安心を守る大きな力になります。
マドリーニャ・ド・パルトが地域で尊敬され、誇りをもって活動できる環境づくりが何よりも大切です。」
— 会議参加者のコメントより
Zoomでの意見交換会の様子