統合スーパービジョンを実施しました (2025年11月~12月)
2025年11月から12月にかけて、ウアンボ州とウィラ州でスーパービジョンを行いました。
本プロジェクトでは、2024年から2025年にかけて、妊産婦に寄り添ったケアに関する研修や、5S-KAIZENを取り入れた保健医療施設のマネジメント研修を実施してきました。
今回のスーパービジョンでは、これまでの研修で学んだことが、実際の医療現場でどのように活かされているのかを確認し、そして、「もっと良くできることは何か」を、現場の皆さんと一緒に考えました。
スーパービジョンには、保健省国家公衆衛生局や州・市保健局の職員に加え、各市のKAIZENフォーカルポイントが参加しました。KAIZENフォーカルポイントは保健医療施設における5S活動の促進、保健医療施設運営の改善などの役割を担います。今回のスーパービジョンの際には医療現場において、薬品を迅速に間違いなく取り出せるよう医薬品棚にラベルを貼ったり、院内感染を防ぐため医療廃棄物の分別表示を行ったりするなど、スーパーバイザーと保健医療従事者が協力しながら、その場で改善に取り組みました。
◆ 妊産婦に寄り添ったケアの広がり
多くの施設で、妊産婦に寄り添ったケアの質が着実に高まっていることが確認できました。
産前健診では、胎児心音計や血圧計を正しく使った診察が行われ、母子健康手帳も丁寧に記入されていました。分娩室では、妊婦さんが希望する付添いの人と一緒に過ごし、自分が楽だと感じる体位で出産できる施設も増えています。こうした温かく思いやりのあるケアのもと、お母さんたちの満足度も少しずつ高まってきています。
◆ 5S-KAIZENによる職場環境の改善
施設マネジメントの面でも、前向きな変化が見られました。薬や医療器材のラベリングや定位置化が進み、仕事がしやすく、分かりやすい職場環境が整いつつあります。一方で、医療器材の管理不足や日常的なメンテナンスの課題、5S活動の進捗が十分ではない施設もあり、今後の改善点も明らかになりました。
5S活動は、一つひとつは小さな取り組みですが、積み重ねることで、ミスの少ない働きやすい職場につながります。それは、患者さんにとっても、医療従事者にとっても、安心できる環境づくりにつながっていきます。
プロジェクトでは、今後もスーパービジョンを通じて、現場の声を大切にしながら、より安全で、より効率的な保健医療施設づくりを進めていきます。
スーパーバイザーと保健医療従事者が協力して作業を行う様子
チェックリストを用いた産前健診の評価とスーパービジョン
医療廃棄物分別の表示を貼る保健医療従事者
指導内容を熱心に聞く保健医療従事者