ウィラ州でマルチセクターによる思春期・若者向け保健サービス強化ワークショップを実施~思春期・若者の健康を守るために~(2026年3月)
プロジェクト対象州のウィラ州において、思春期および若者の健康を守るためのワークショップが実施されました。本ワークショップは、国家公衆衛生局を中心に、保健医療従事者に加え、教育、社会福祉、青少年分野、コミュニティ産婆協会など、複数の分野から約40名が参加しました。
◆ なぜ今、マルチセクターの連携が必要なのか
アンゴラでは、10代の妊娠や性感染症、ジェンダーに基づく暴力など、若者を取り巻く課題が依然として深刻です。これらの問題は医療だけで解決できるものではなく、家庭環境や教育、経済状況、文化的背景など、さまざまな要因が複雑に関係しています。
そのため、保健分野だけでなく、教育、社会福祉、地域コミュニティが連携しながら取り組む「マルチセクターアプローチ」が不可欠です。本ワークショップでは、その重要性が強く共有されました。
マルチセクターでのグループワークの様子
◆ 若者に寄り添うための知識と実践を学ぶ
3日間のワークショップでは、思春期・若者の心身の発達や、10代の妊娠がもたらす影響、性と生殖に関する健康、ジェンダーや人権といったテーマについて、参加者同士の対話を交えながら理解を深めました。
また、若者が安心して相談できる環境づくりや、偏見を持たずに寄り添う支援のあり方についても議論が行われました。
◆ 現場の課題から見えてきたこと
グループワークでは、現場で直面している課題が共有されました。若者が保健施設を訪れるのは、すでに妊娠や感染などの問題が起きた後であることが多く、日常的に相談できる環境が不足していることが指摘されました。また、性に関する話題が家庭や地域でタブー視されていることも、適切な情報へのアクセスを妨げる要因となっています。
これに対し、正しい知識をわかりやすく伝えること、若者にとって安心できる空間を整えること、そして学校や地域と連携した継続的な働きかけの必要性が確認されました。
グループごとに協議した内容を発表
◆ 若者を支える具体的な仕組み
ワークショップでは、若者支援を実現するための具体的な仕組みについても紹介されました。
若者同士が知識を伝え合う「JIRO(Juventude Informada, Responsável e Organizada、情報を持ち、責任ある、組織化された若者によるピア・エデュケーション)」は、同世代だからこそ届くメッセージを通じて、若者の行動変容を促す重要な役割を担っています。また、ジェンダーに基づく暴力や虐待に対応する「GASFIG(Gabinete Provincial da Acção Social Família e Igualdade de Gênero、州社会福祉・家族・ジェンダー平等局)」は、被害者が適切な支援につながるための相談・保護・紹介の仕組みとして機能しています。
これらの取り組みは、予防から相談、支援へとつながる切れ目のない支援体制の構築に寄与しています。
「JIRO」の活動紹介
「GASFIG」の活動紹介
◆ 「知識を行動へ」―現場での実践に向けて
ワークショップを通じて繰り返し強調されたのは、「知識は共有し、実践してこそ意味がある」という点です。限られた資源の中でも、現場の工夫と関係者の連携によって、より質の高いサービスを提供することが可能です。
参加者は、学んだ内容をそれぞれの職場や地域に持ち帰り、周囲と共有しながら実践していくことの重要性を再認識しました。
今後に向けて
参加者は研修の最後に、それぞれの地域で活動を広げるためのアクションプランを作成しました。
今後は、本研修で育成された人材が中心となり、保健、教育、地域が連携した取り組みがさらに広がっていくことが期待されます。
若者が安心して相談できる環境を整え、誰一人取り残さない支援体制の構築に向けた一歩となるワークショップとなりました。
参加者集合写真