研修後のフォローアップ、スーパービジョンの継続
研修で学んだ内容が実務で効果的に実践されるよう支援し、成果を持続させるために各対象保健医療施設を訪問し、フォローアップを行っています。特に本プロジェクトでは、保健医療従事者に対する施設内研修を丁寧に実施し、彼/彼女たちが現場で自信を持って妊産婦に寄り添ったケアを実践できるように継続的にサポートしています。
研修後のフォローアップとスーパービジョンは、研修実施直後から開始しました。プロジェクトで供与した機材の使用方法の指導や、産婦の付添い者へのサポート方法の指導、家族を含めた退院指導の実施方法などの指導を行っています。
研修後に各施設で見られている大きな変化として、「産婦が望む付添い者の分娩室への同行を認める」、「付添い者による産婦へのマッサージの実施」、「産婦の望む分娩体位の尊重」、「家族も含めた退院指導の強化」などがあります。また、特にウィラ州では、自発的に市保健局が対象保健施設以外に対しても研修を実施し、妊産婦に寄り添ったケアに関する研修内容を広めてくださっています。
スーパービジョンで行った施設長や保健医療従事者へのインタビューでは、とてもポジティブな反応をいただきました。例えば、下記のような言葉がありました。
- 毎週木曜日の午後は、施設内研修の時間として全員参加の研修を開始しました。全職員で研修内容を少しずつ復習しています。
- 分娩室への家族の付添いを許可したことによって、施設での分娩を望む産婦の数が増えました。
- 供与してもらったドップラー(胎児超音波心音計)の使用を開始したことで、「妊婦健診に行けば赤ちゃんの心臓の音が聞ける」という噂が地域で広がって、妊婦健診に夫/パートナーを同行してくる人が増えました。
また、各施設でのスーパービジョンの最後には、施設長や、現場で活躍する保健医療従事者を交えて、これから施設全体で重点的に取り組むべき課題について協議し、「目標シート」を作成しています。この目標シートは、施設の職員が見える場所に貼って、施設全体で改善に向けて取り組めるように工夫しています。
そして、プロジェクトでは、アンゴラでよく使用されているメッセージングアプリであるWhatsAppを活用して、対象保健医療施設の保健医療従事者も交えたグループを作成しています。このグループの中では、各施設での人間的なお産の取り組みの紹介や、ケアに関する質疑応答、研修内容の共有などを行っています。総勢131名が参加し、毎日活発なコミュニケーションが行われています。
施設内研修の様子①
施設内研修の様子②
胎児超音波心音計(ドップラー)使用方法の指導
妊婦健診前の健康教育にて~分娩時の付添いについて指導~