食品リスク分析の専門家による食品安全ワークショップを開催しました(2025年2月12日)
2025年2月6日~14日にかけて、日本の厚生労働省健康・生活衛生局食品監視安全課から食品リスク分析の専門家が訪越し、ベトナムの食品安全行政の状況についてReference Testing and Agrifood Quality Services Center(RETAQセンター)のカウンターパートと調査を行うとともにワークショップを開催し、日本の食品安全行政の経験を共有しました。
食品リスク分析の専門家はまずRETAQセンター品質部門のカウンターパート職員と一緒に伝統的な市場と近代的なスーパーマーケット等の視察をしました。さらに、食品安全行政を主として所管する保健省傘下の国立食品管理研究所(National Institute for Food Control:NIFC)、食品安全行政を支援するカナダ政府による技術協力プロジェクト、国際家畜研究所(International Livestock Research Institute:ILRI)、ベトナム国家農業大学(Vietnam National University of Agriculture:VNUA)食品科学技術学科(Faculty of Food Science and Technology)を訪問し、ベトナムの食品安全に係る活動の現状を理解するために各組織からの聞き取りと意見交換を行いました。その後、2025年2月12日にハノイ市内において、食品リスク分析に関する知識と日本の食品安全行政に関する経験を関係者と共有するためのワークショップを開催しました。ワークショップでは食品リスク分析の専門家が日本の食品安全行政の歴史や具体的な事例、法制度などを紹介し、プロジェクトチーフアドバイザーが日本の食品安全における農林水産省の役割について発表を行いました。ワークショップはハイブリッド形式で開催され、現地ではRETAQセンター、農業農村開発省、保健省や商工省の関係局・研究機関、大学、ILRI等の国際機関、JICAベトナム事務所やJICA専門家が出席した他、オンラインでは食品安全分野を担当するJICA関係者やカナダの技術協力関係者等が参加しました。プレゼンテーション後には活発な質疑応答が行われました。このワークショップは、ベトナムにおける食品安全行政の全体像の把握を助け、直面する課題の明確化に大きく貢献できました。
後日RETAQセンターにおいて専門家とカウンターパート職員は食品安全に関する今後の活動について意見交換も行い、RETAQセンターのあり方、方向性等について専門家から助言を貰いました。プロジェクトはこれからRETAQセンターが取り組むリスク分析におけるモニタリング活動(水産物の細菌検査と葉物野菜の残留農薬分析)を支援していきます。
国立食品管理研究所(NIFC)訪問
国際家畜研究所(ILRI)訪問
食品リスク分析と日本の食品安全行政に関する知識・経験を共有するワークショップ
ワークショップで発表する食品リスク分析専門家
ワークショップで発表するプロジェクトチーフアドバイザー