2024年度本邦研修を行いました(2024年5月、7~8月、10~11月、12月)
本プロジェクトは2024年度に4回の本邦研修を実施し、計13人の研修員が日本で研修を受けました。
まずはカウンターパート機関の幹部職員に日本における制度の全体像を把握してもらうため、2024年5月15日~5月22日に「日本における農薬および動物用医薬品、農畜水産物、食品の管理・検査制度の理解促進研修」が行われました。Reference Testing and Agrifood Quality Services Center(RETAQセンター)の幹部職員3名並びにREATQセンターの上位部局である農業農村開発省のNational Authority for Agro-Forestry-Fishery Quality, Processing and Market Development(NAFIQPM)の職員1名が、食品安全委員会、厚生労働省、消費者庁、農林水産省、農林水産消費安全技術センター(FAMIC)さいたま本部、一般財団法人食品薬品安全センター秦野研究所、厚生労働省横浜検疫所輸入食品・検疫検査センター、一般財団法人日本食品分析センター多摩研究所を訪問しました。研修員は日本の制度や経験を学ぶことで現在のRETAQセンターの課題を理解し、プロジェクト目標達成に向けて現実的かつ効果的な活動に関して考えを深めました。研修員はこの研修で得た知識を活用し、将来ベトナムの農畜水産食品の安全性の確保や行政改善に貢献することが期待されています。
2024年7月22日~8月9日には「食品検査・分析技術(1)残留動物用医薬品分析研修」が行われ、RETAQセンターのラボラトリー部門長1名と化学試験グループ職員2名が厚生労働省横浜検疫所輸入食品・検疫検査センターにおいて動物用医薬品であるニトロフラン系合成抗菌剤の分析について基礎的知識と技術を学びました。
続いて10月28日~11月15日に「食品検査・分析技術(2)微生物検査研修」が行われ、RETAQセンター生物試験グループの職員3名が厚生労働省横浜検疫所輸入食品・検疫検査センターにおいて、病原性大腸菌およびコレラ菌を題材に用いた培養による生菌の検出・同定法及びPCR(遺伝子増幅)による病原性遺伝子の検出等の実技研修を受けました。
最後に、12月2日~12月20日に行われた「食品検査・分析技術(3)残留農薬分析研修」ではRETAQセンター化学試験グループの職員3名が、FAMIC農薬検査部で茶の残留農薬の多成分同時分析、厚生労働省横浜検疫所輸入食品・検疫検査センターで葉菜とウリ科野菜の残留農薬分析について実技研修を受けました。
各研修の参加者は帰国後にそれぞれ報告会を開催し、日本の検査制度や分析・検査技術について学んだ成果を他の職員と共有しました。今後は日本で得た技術が、環境や使用機材が異なるベトナムにおいてどのように実装できるか検証を進め、食品安全検査の能力向上に努めます。
幹部研修修了式
残留動物用医薬品分析研修
微生物検査研修
残留農薬分析研修(FAMIC)
残留農薬分析研修(横浜検疫所)