サイバーセキュリティ能力向上プロジェクト 第4回合同調整委員会 開催(2026年9月10日)
2026年9月10日に、第4回 合同調整委員会(Joint Coordinating Committee, JCC)を開催しました。
この第4回 JCCには、プロジェクト実施機関である郵政通信省(Ministry of Post and Telecommunications, MPTC)とJICA本部・現地事務所に加え、カンボジア国内のサイバーセキュリティに関係する政府機関(内務省、経済財政省、外務国際協力省、商業省、保健省、公共事業運輸省、カンボジア中央銀行等)から代表者が参加しました。
今回のJCCは、2023年5月から2026年10月までの期間で実施されている本プロジェクトの最終JCCとして開催されました。会議では、MPTC職員とJICA専門家で構成されるプロジェクトチームが、プロジェクト期間を通じた成果を報告するとともに、目標達成状況について関係者間で確認を行いました。
プロジェクトでは、MPTCのサイバーセキュリティ対応部署を中心に、サイバーセキュリティ専門家としての国際認定資格取得(※)に向けた研修やハンズオン演習、運用手順書の整備を通じた能力強化に取り組みました。また、大学生や政府機関職員、地方行政職員を対象とした普及啓発活動に加え、サイバーセキュリティ関連法制度の検討に向けた調査・提言活動を実施しました。これらの活動を通じて、カンボジアにおけるサイバーセキュリティ人材の育成と組織基盤の強化が図られました。
会議では、各活動の取組結果とプロジェクト完了にむけた評価の報告が行われました。その結果、計画された全ての活動が実施され、プロジェクト目標及び各成果目標が達成されたことが確認されました。特に、研修や演習を通じた人材育成の効果が高く評価され、MPTCをはじめとする政府関係機関においてサイバーセキュリティに関する知識・技能の向上が見られるとともに、CSIRTの運用能力やインシデント対応体制の強化につながったことが報告されました。また、普及啓発活動を通じて、政府機関及び関係者のサイバーセキュリティに対する理解と意識が向上し、カンボジアのサイバーレジリエンス強化に貢献したことが確認されました。
さらに、プロジェクトから得られた教訓や今後の課題を踏まえ、成果の持続的な活用に向けた方向性について意見交換が行われました。本プロジェクトがカンボジアのサイバーセキュリティ能力向上に大きく貢献したことを確認するとともに、2027年から開始予定の後継プロジェクトの計画を共有しました。後継プロジェクトでは、本プロジェクトを通じて構築された人材育成基盤や関係機関との連携を発展させ、カンボジアにおけるサイバーセキュリティ・エコシステムの強化が期待されています。
本プロジェクトは、日本政府の掲げる成長戦略の17の戦略分野の一つとして重視される「デジタル・サイバーセキュリティ」の強化に資する取組となりました。カンボジアのサイバーセキュリティ能力と官民の連携基盤を強化することは、国境を越えるサイバー脅威の抑制とASEAN地域全体のサイバーレジリエンス向上につながります。さらに、安全で信頼性の高いデジタル環境の整備を通じて、日・ASEAN間のデジタル経済の発展にも寄与することが期待されます。本プロジェクトの終了後も、JICAは引き続きカンボジアと日本の両国にとって安全で信頼性の高いデジタル社会の実現と、ASEAN地域全体のサイバーレジリエンス向上に向けた協力を推進していきます。
※プロジェクトにおいて取得を推奨・支援した国際認定資格の例
CompTIA: Security+, Pentest+
EC-Council: Computer Hacking Forensic Investigator (CHFI), Certified SOC Analyst (CSA), Certified Incident Handler (ECIH)
PECB (Professional Evaluation and Certification Board): ISO/IEC27001 Lead Implementer