技術協力プロジェクト間の連携: 地方行政職員を対象としたサイバーセキュリティの普及啓発活動
2025年1月15日にサイバーセキュリティの普及啓発活動として、郵政電気通信省(Ministry of Post and Telecommunications, MPTC)職員がTboung Khmum州Krouch Chhmar郡の人身取引被害当事者の支援に関わる地方行政職員を対象に講義を実施しました。
この普及啓発活動は、社会問題・退役軍人・青少年更生省(Ministry of Social Affairs, Veterans and Youth Rehabilitation, MoSVY)を対象とした技術協力「人身取引被害当事者への支援能力向上プロジェクト」(Project on Capacity Development for Assisting Survivors of Trafficking in Persons)、通称「Project TRUST」)と連携し実現したものです。
Project TRUSTが活動を続ける中で、社会的弱者である人身取引被害当事者の個人情報を取扱う際の地方行政職員のサイバーセキュリティへの意識の低さが重要な課題として浮かび上がっていました。この課題解決の一助となるよう、本プロジェクトの普及啓発活動の一環として、Project TRUSTが提供する「人身取引被害当事者のケースマネジメント研修」の一部にサイバーセキュリティの講義を組み込み、地方行政職員の実務におけるサイバーセキュリティの意識向上に取り組みました。
この取組では、2名のMPTC職員が講師となり、個人情報保護を含むサイバーセキュリティの基礎知識、一般的なメッセージアプリの主要機能、利用端末の安全性を高める設定について講義を実施しました。多くの受講者にとって、サイバーセキュリティに関する基礎知識を体系的に学ぶ初めての機会でしたが、実際にメッセージアプリを操作し、講師へ質問するなど、受講者は積極的に講義に参加していました。しかし、講義後に行ったアンケート結果では、本講義のニーズの高さや実務におけるサイバーセキュリティに対する意識の変化が一定数みられたものの、アプリの利用方法や個人情報保護の運用については、受講者の理解度にギャップが生じました。これらの結果は、受講者の理解度を考慮した説明方法の検討など、次回以降の普及啓発活動への教訓として活かしていく予定です。今後も、プロジェクト活動を通じて、カンボジアにおけるサイバーセキュリティの意識向上を目指します。