キャリア開発プログラムが本格的に展開し始めました
2024年4月にネパールで初めて開催された「キャリア開発プログラム」ですが、この1年の間にネパール、日本のそれぞれの地において、大勢の学生に学びの機会を提供することができました。
本プロジェクトで実施している「キャリア開発プログラム」は、出稼ぎを目的に日本に留学する学生らが、キャリアに様々な選択肢があることを理解し、将来のキャリアビジョンを描けるようになることを目的としています。本プログラムは、ネパールの日本語学校に在籍し、これから日本へ渡航する予定の学生と、日本で日本語学校もしくは大学・専門学校に在籍しているネパール人留学生の両者を対象としています。
ネパールでは、2025年5月までに首都カトマンズをはじめ、バグルン、ブトワル、ヘタウダ、ナワルパラシ、チトワン、カワソティ及びジャパの各地域にある日本語学校において合計43回のキャリア開発プログラムが実施されました。プログラムでは、プロジェクトで養成した、日本の滞在・就労経験がある還流人材が講師を務め、留学や特定技能で日本への渡航を目指す約840人の若者が参加しました。ネパールにおいては、学校における「キャリア教育」がまだ一般的ではありません。学生たちは初めて耳にする「キャリアパス」の概念に苦戦しつつも2日間の研修を通じて将来着実なキャリアを築くために必要となるマインドセットや心構えについて学び、自身の今後のアクションプランを考えました。参加した学生からは、「日本に行く前にこのプログラムを受けることができてよかった。」「日本に行った後の過ごし方について学ぶことができた。もっと勉強を頑張ろうという気持ちになった。」などの感想が聞かれました。
日本においても2024年6月の第1回プログラム開始以降、2025年5月までに、関東、九州、沖縄地方で合計7校及び1団体に対して、合計18回のキャリア開発プログラムを実施しました。このうち4回は、一度受講した学生に対して、今後の進路に向けて更なる意識付けを行うためのフォローアップ研修でした。研修を受けた学生数は延べ1,100名を超えます。参加した学生からは、「必要な知識やスキルをどのように習得するかについて学べた」、「目標達成につながるスキルを、アルバイトを通じて身につけることができることに気づけた」「日頃から日本のサービスの仕方をよく観察するようになった」などの声が上がったほか、学校側からも、「学生がいつもよりもよく発言をしており、活き活きとしている様子を見ることができた」「彼らが将来についてどのようなことを考えているのかを知ることができた」という声を頂きました。
今後もこのプログラムはネパールと日本の双方で展開する予定です。ますます多くのネパール人学生に、自身のキャリア形成のための力をつけてもらい、将来ネパールの産業発展に貢献してもらうことを期待しています。
日本経済大学での講義風景