地方政府の声を反映した下水道データベースづくり ― ベトナム地方政府との意見交換 ―
2026年6月に、ベトナム建設省建設インフラ局(ACI)とJICA専門家は、ハノイ市、ハイフォン市、ドンタップ省等と、排水・下水処理データベースについて意見交換を行いました。
「排水・下水処理データベース」とは、各地域の排水施設や下水処理の状況を行政が収集・整理し、下水道事業の現状把握や計画、施設管理に活用するための「基礎情報」です。ベトナムでは、一部の地方政府で関連データの収集が行われていますが、全国で統一的に運用される「排水・下水処理データベース」は、まだ構築されていません。
意見交換から、地方政府では、排水・下水処理に関するデータを継続的に収集・管理するための仕組みや体制が課題となっていることが分かりました。具体的には、入力項目を担当者に分かりやすいものにすること(ハノイ市・ドンタップ省)、データを入力・管理する機関の役割を明確にすること(ハノイ市・ハイフォン市)、GISを活用すること(ハノイ市・ハイフォン市・ドンタップ省)等の意見が出されました。また、コミューン(町村)レベルでデータ管理を担う職員への支援も必要(ドンタップ省)との意見がありました。
現在、ベトナムでは全国34省・市を接続したデータベースの試行運用が進められており、建設省はその正式な運用に向けた省令の策定を進めてきました。JICAプロジェクトでは、地方政府から出された意見を踏まえ、ACIと協議し、省令案の都市排水分野に関係するデータベースの調査票案について、日本の専門家の知見も生かしながら修正・助言を行いました。
この結果、2026年9月15日付で省令69号(上水道及び都市排水の情報システム並びにデータベースに関する規定)が制定され、同年11月1日より施行されることとなりました。この省令の整備により、地方政府が継続的にデータを収集・更新できる全国共通の仕組みが整い、排水・下水処理施策の進捗状況をより効率的に把握し、計画や施設管理に活用できるようになることが期待されます。