事故データに基づく交通取締りの試行
本プロジェクトでは、事故リスクの高い地点や時間帯を踏まえた効果的な取締り計画を策定できるよう、ナイロビ交通警察とともに活動を進めています。
その一環として、過去の交通事故データから事故件数や事故要因を分析し、事故リスクの高い地点を抽出した上で、警察官の配置による交通違反の抑止効果を確認する「Preliminary Enforcement(試行的取締り)」を実施しました。
今回の活動対象としたのは、ナイロビ市内のンゴング道路(Ngong Road)に位置するアダムスアーケード交差点(Adams Arcade Intersction)です。
交通事故データの分析から、この交差点では昼夜を問わず交通事故が発生しており、特に横断歩行者やオートバイが関係する死亡事故のリスクが高いことが分かりました。現地を観察したところ、交通警察官が常時配置されておらず、オートバイによる信号無視などの危険な交通行動も確認されました。
そこで、今回の試行的取締りでは「オートバイの信号無視」に着目。7月15日から8月14日までの1か月間、交通警察官を交差点に配置し、赤信号時の確実な停止とドライバーへの注意喚起を行いました。
その結果、活動開始日には、活動前のベースラインと比較してオートバイの信号無視が大幅に減少し、警察官の配置による明確な抑止効果が確認されました。一方、他の任務への対応などにより配置人数が減少した日には、信号無視が増加する傾向も見られ、警察官の配置状況が交通行動に影響することが分かりました。
しかし、活動終了後に再び状況を確認すると、信号無視は急増し、活動前とほぼ同じ水準に戻りました。
今回の試行を通じて、警察官による継続的な取締りは危険な交通行動の抑止に有効である一方、持続的な交通安全のためには、継続的な対策が必要であることが示されました。
本活動についてはJCC(合同調整委員会)でも報告し、取締りによる抑止効果や取組継続の必要性について関係者から賛同を得ました。
今回の試行で得られた結果や課題を今後の取締り計画に反映し、事故データに基づいてリスクの高い地点や時間帯を選定するとともに、限られた警察官を効果的に配置する取組につなげていきます。
さらに、ナイロビ交通警察と協力し、今回の取組を他の事故多発地点にも展開することで、持続的かつ効果的な取締り活動の構築を目指します。
取締り前の様子:赤信号を無視し、交差点内まで進入するオートバイ・車両
取締り中の様子:赤信号で停止線を守り、停止するオートバイ
停止線で停車するよう指導する警察官
赤信号で停止するよう指導する警察官
取締り実施と信号無視違反数の推移