シミュレータ実習を実施しました
「モンゴル日本病院における病院運営及び医療人材教育機能強化プロジェクト」の一環として、2025年2月7日から2月27日の3週間、モンゴル日本病院スキルスラボおよびモンゴル国立医科大学臨床スキルスセンターにて、シミュレータを用いた実習を実施しました。
研修の主な目的は、研修医が基本的な手技の内容や方法を理解し、実務に即した技術を習得することです。また、指導者が実習を通じて、効果的な指導方法を学ぶことも重要な目的の一つとなっています。実習内容は、モンゴル側のニーズが高い基本的な手技に焦点を当て、以下の3つの実習を実施しました:
- 1 . 採血・静脈注射シミュレータ実習
- 2 . 基本的縫合実習
- 3 . 超音波ガイド下内頸静脈中心静脈カテーテル(CVC)挿入実習+ビデオフィードバック
各実習には、研修医や指導医を含め10名から20名程度が毎回参加し、実際に手技を行いながら学びを深めました。最終的には、指導者63名、参加者205名(医師・看護師を含む)が研修に参加しました。研修医にとっては、これまで経験のない手技をシミュレーション研修で実践でき、有意義な学びの場となりました。また、参加者同士の相互指導や、上級医による研修医への指導が積極的に行われ、教育面における好循環を生む契機になりました。
研修後には、研修医および指導者向けにアンケートを実施しました。その結果、すべての質問項目において80%以上の参加者が「とても良かった」と評価しました。さらに「とても良かった」と「良かった」の評価を合わせると全体の99%に達し、非常に高い満足度が確認されました。不満の声は一切なく、本実習がモンゴル側のニーズと合致し、極めて評判の良い実習となったことがわかりました。また、参加者からは「説明が丁寧でわかりやすかった」、「手技を理論とともに順を追って学び、実践できた」「自分の不得意な手技を再確認できた」といった感想が寄せられました。
今回の実習を通じて、研修医の技術向上と指導者の指導力向上に向けた重要な一歩を踏み出しました。今後は、研修体制の整備やスキルスラボの活用促進、指導体制の充実を図り、より効果的で持続可能な研修と教育体制の構築を進めていきます。
※本研修は、モンゴル国内の多くのニュースサイトやテレビ局に取り上げていただきました。
○GoGo.mn(モンゴルのニュースサイト):
https://gogo.mn/r/kxy4m
https://www.facebook.com/story.php?story_fbid=663577972732560&id=100072410884009&rdid=ILkCvZWxPWpJFiFN#
○MNB TV(Mongolian National Broadcasting_モンゴル国営放送局):
https://www.facebook.com/watch/?mibextid=69CR2R&v=1047129547251191&rdid=PyPGISdIltfFy8mh
○NTV(National Television of Mongolia_モンゴル国営テレビ局):
https://www.youtube.com/watch?v=kLQH85brOQQ
超音波ガイド下CVC挿入実習の様子
シミュレータを活用した実習の様子
上級医が研修医に助言をしている様子
(基本的縫合実習)
ラップアップミーティング後の研修医および指導医との集合写真