第3回JCC会合を開催しました
2025年6月9日、「モンゴル日本病院における病院運営及び医療人材教育機能強化プロジェクト」の第3回合同調整委員会(JCC)が開催されました。本プロジェクトは2023年4月に開始され、約2年を経て第1期の終盤を迎え、これまでの成果の振り返りと、第2期の活動方針が関係機関間で共有されました。
冒頭、教育省事務次官に続き、JICAモンゴル事務所宮城所長より、日本モンゴル病院(日モ病院)がモンゴルの中核となる大学病院として着実に発展してきたこと、今後は教育・研究・診療の基盤強化に向けて、モンゴル側の主体的な取組と日本側の専門的な支援が重要である旨が述べられました。
プロジェクトチームからは、第1期の主な取組として、医師の卒後研修体制整備に向けた教育省・保健省両大臣出席による省庁間ワークショップの開催や、モンゴル国立医科大学(医科大学)医学部のスキルスセンターや日モ病院のスキルスラボを活用した実践的なシミュレーション研修の導入について報告されました。看護分野では、看護部の組織再編、クリニカルラダー[1]や新人看護職員研修ガイドラインの整備・導入により体制が強化され、徳島大学・愛媛大学での本邦研修や、日モ病院初の国際看護シンポジウム開催も紹介されました。病院運営面では、ワーキンググループによる検討を経て、日モ病院長期運営管理計画(2025〜2029年)と年次ビジネスプラン(2025年版)が策定され、モニタリング体制の整備やリスク基金の設立といった病院経営強化の取り組みも共有されました。また、多岐に亘る分野での共同研究体制の構築や診断・治療能力の強化に向けた支援についても報告されました。とりわけD型肝炎に関する共同研究では、徳島大学・日モ病院・医科大学による研究成果が国際学術誌に掲載され、高い評価を受けたことが紹介されました。
日モ病院院長からは現状の運営状況が、医科大学学長からは、診療・教育・研究の三本柱を備えたモンゴル初の大学病院として、国際的な評価を得る病院を目指す意向が示されました。また、教育省事務次官より、プロジェクトへの謝意とともに、今後の制度整備や予算措置による支援継続が表明されました。
今回のJCCを通じて、第1期の成果と第2期の方針に関する共通認識が深まり、引き続きモンゴル・日本双方の関係機関が連携し、日モ病院のさらなる発展に向けて取り組んでいくことが確認されました。
[1] 看護師の臨床実践能力を段階的に評価・育成する教育制度
6月9日JCC開催
赤池業務主任(徳島大学)より活動報告
檜垣業務主任者補佐(愛媛大学)より活動報告
日モ病院視察の様子