NTTセキュリティ・ジャパン川田氏がモンゴルを訪問し、公開セミナーを開催
日付:2026年3月2日~6日
2026年3月2日から6日にかけて、
NTTセキュリティ・ジャパン株式会社 (本社:東京都、代表取締役社長:関根 太郎、以下 NTTセキュリティ・ジャパン) の川田孝紀氏がモンゴルを訪問し、本プロジェクトの一環として各種活動を実施しました。滞在期間中は、公開セミナーへの登壇に加え、モンゴル国内のCSIRT機関や関連組織、民間企業の視察および意見交換を行いました。
3月3日には、「セキュアなサイバー空間の実現に向けて ― SOC、CSIRTからISACまで ―」をテーマとした公開セミナーが開催されました。本セミナーは、サイバーセキュリティ委員会の作業部会とJICAプロジェクトの共催により実施され、会場には約80名、オンラインでは約60名が参加し、合計約140名が出席する盛況な会合となりました。 近年、行政機関や民間企業に対するサイバー攻撃は世界的に増加しており、特に重要情報インフラ事業者における情報資産の保護強化が重要な課題となっています。本セミナーでは、日本の金融ISACの取り組みやインドネシアにおけるCSIRT設立・発展の事例を紹介しながら、セキュアなサイバー空間を実現するためのロードマップや、政府および重要インフラ事業者が果たすべき役割について議論が行われました。
川田氏は、「Security Operation Center(SOC)の機能と役割」および「業界団体の役割と関連フレームワーク」に関する講演を行い、SOC運用の実務的な視点や、ISAC(Information Sharing and Analysis Center)を通じた情報共有の重要性について解説しました。また、パネルディスカッションにも参加し、モンゴルにおけるSOCおよびCSIRT体制の発展や、将来的なISAC設立に向けた課題と今後の方向性について活発な意見交換が行われました。 モンゴルでは、現時点で分野別ISACは設立されていないものの、金融や重要インフラ分野を中心に情報共有の必要性が強く認識されています。本セミナーは、こうした情報共有体制の具体的なイメージを共有する貴重な機会となりました。特に、日本における業界主導の情報共有体制や、官民が連携して脅威情報を迅速に共有する仕組みについての説明は、参加者にとって実践的かつ示唆に富む内容となりました。
セミナー翌日以降は、データセンターの視察に加え、Public CSIRT、National CSIRT、MNCERTとのミーティングを実施しました。現場レベルでの意見交換では、SOCの24時間体制の確保、人材不足、ログ管理体制の高度化、インシデント発生時の初動対応の標準化、組織間の情報共有フローの明確化など、具体的な課題が共有されました。また、官民連携の枠組みについても議論が行われ、特に民間企業との信頼関係構築や情報共有ルールの整備の重要性が確認されました。
今回の川田氏による訪問は、単なる技術移転にとどまらず、日本政府が推進する成長戦略(デジタル・サイバーセキュリティ分野)の方向性を具体化する取組の一環と位置づけられます。日本がこれまで培ってきたSOC運用の知見やISACによる官民連携モデルをモンゴルへ共有することは、同国のデジタル基盤の信頼性向上に寄与するだけでなく、アジア地域全体のサイバーセキュリティ水準の底上げにもつながるものです。
また、こうした取組は、日本のデジタル関連技術やサービスの海外展開を後押しするとともに、強靭なサプライチェーンの構築など経済安全保障の強化にも資するものです。本プロジェクトは、「安全・安心なデジタルトランスフォーメーションの実現」という日本の成長戦略の目標にも貢献する重要な取組として位置づけられます。
今回の訪問を通じて、モンゴルにおけるサイバーセキュリティ体制の現状と課題が改めて整理されるとともに、官民連携および情報共有体制の強化に向けた具体的な方向性が共有されました。今後も本プロジェクトを通じて、セキュアなサイバー空間の実現に向けた取り組みを継続していきます。
セミナーで講演する井出チーフアドバイザー
セミナーで講演する川田氏
セミナー参加者の集合写真