News#13 METRAP-Maputoのカウンターパートが日本の輸送ノウハウから知見を得る （本邦研修、2024年6月8日～22日）

METRAP-Maputoプロジェクトは、2024年6月8日から22日にかけて本邦研修を実施しました。この研修には、マプト市議会、公共交通会社、および交通当局の様々な組織を代表する8名の研修生が参加しました。

・マプト市議会 - 運輸交通局 (DMTT)
・マプト市議会 - 都市インフラメンテナンス局 (DMIU)
・マプト市議会 - 土地利用・建設局 (DMOTC)
・マプト市役所バス公社 (EMTPM)
・マプト都市交通公社 (AMT)

この研修の3つの主な目的は、METRAP-Maputoプロジェクトの3つの成果に沿ったものでした。研修終了時には、参加者は学んだことの要点と、それをどのようにマプトの公共交通の改善に活かすかについてのプレゼンテーションを行いました。

研修プログラムは、JICAの都市交通部門のプロジェクトや日本の都市交通システムに関する講義から、ターミナル、バス運行会社、日本の沿線都市開発の現場視察まで、幅広い活動をカバーしました。参加者は、マプトで参考となる施策や革新的なソリューションを考えるきっかけを得ることができました。

研修には、様々な組織によるセミナーや講義が含まれていました。国土交通省政策研究所（PRILIT）は、SUMP（持続可能な都市モビリティ計画）に関する講義を提供し、ヨーロッパの都市で作成されたモビリティ計画と日本との比較を示しました。名古屋市の講義では、名古屋市の例を通じて日本の交通計画の理解と名古屋ガイドウェイバスの運行と管理の経験についての話題が提供されました。また、明星大学の講義では、日本の新都市政策、計画、歴史とTOD（トランジット・オリエンテッド・デベロップメント、公共交通指向型都市開発）概念の特徴、利点、市民参加と市民の印象について、多摩ニュータウンを例に説明されました。

注目すべき提案の一つとして、新宿バスターミナル（バスタ）のようなターミナルインフラの再編成によって、マプトの中心部の交通量を分散させ、混雑を緩和する可能性が示されました。バス運行会社であるイーグルバスは、PDCAサイクル（Plan-Do-Check-Act）によるバスサービスの向上をきっかけに、さまざまな運行情報を計測できるシステムを構築し、データを活用した問題点の可視化と解決策の創出を可能にしたことを紹介しました。Location Mind社は、交通計画のための高度なITソリューションに関する講義を提供しました。MoDipによるGTFSの使用に関する講義や、新潟市及び新潟交通のBRT・バスの運行とメンテナンスに関する教訓も、マプトの公共交通システムを改善するための貴重なインプットなりました。

この研修により、参加者はマプトのモビリティを向上させるための知識とインスピレーションを得ました。全体として、マプトからの参加者たちが新しいアイデアや戦略を持ち帰り、都市の交通課題に取り組み、より効率的で持続可能なモビリティに向けての意欲が増しました。

DMTT: マプト市役所 運輸交通局
DMIU: マプト市役所 都市インフラメンテナンス局
DMOTC: マプト市役所 土地利用・建設局
EMTPM: マプト市役所 バス公社
AMT: マプト都市交通公社
GTFS: 公共交通機関の時刻表と地理的情報に関するオープンフォーマット