ナイトマーケットを走る、信頼の足 ～このバスがあるから、夜も楽しめる～

夜の楽しみを安心して満喫できる──そんな環境を実現したのは、現地政府によるナイトマーケットシャトルバスの取り組みです。その運行計画の策定やバス停の設置など、JICAはその足元を静かに支え続けています。

月に２回の週末の夜、パラオで開催されるナイトマーケットは、地元の特産品や食事、音楽が楽しめるイベント。しかし、夜間の移動手段が乏しいことが、特に観光客の訪問のハードルとなっていました。

この課題を解決するため、パラオ政府は夜間シャトルバスの運行を2023年11月より開始。ホテルや市街地を結ぶルートを設定し、誰でも利用できる仕組みを整えました。観光局のウェブサイトやSNSでの告知、時刻表の整備も行われ、観光客にも認知が広がっています。

利用者からは「気軽に立ち寄れるようになった」との声が多く聞かれ、マーケットの来場者数増にバスの運行は大きく貢献しています。出店者の売上向上にも少なからずつながっており、地域経済の活性化を支える力となっています。

バスが届けるのは「移動」だけでなく「安心」と「賑わい」。公共交通の新しい可能性が、夜の島にそっと灯されています。