パラオ初の路線バス誕生！ ～日本の技術が支える島民と観光客の新たな「足」～

パラオ共和国で、本格的な公共交通の運行が2024年4月からついにスタート。日本の支援によって、島民の暮らしと観光の質を変える「路線バス」が誕生しました。

パラオでは長年、自家用車に過度に依存した社会が続いていました。通勤、通学、買い物、観光…あらゆる移動が個人の車に頼らざるを得ず、交通混雑や燃料費高騰、環境負荷の問題が深刻化していました。

そこでJICAでは、パラオ政府と連携して「路線バス」（一定のルート（停留所や経路）とスケジュール（時刻表）に従って運行される公共交通機関のバス。 日常的・継続的に運行し、特定のイベントや目的に限定されないバス。）の導入の支援を開始しました。ルート設計から運行管理、運転手の研修、バス停の設置まで、日本のノウハウを生かした取り組みが進められました。バスは「Daytime Bus」の愛称で親しまれ、平日の足として利用が始まりました。

導入後は「病院や買物へ行くのが便利になった」「観光客が自力で動けるようになった」といった声が広がり、小さいながら地域全体に変化が見え始めました。2024年７月にはDaytime Busと首都マルキョクとコロールを結ぶ朝夕の通勤用のバスの路線統合も行われ、持続可能な運行体制が構築されつつあります。

路線バスの導入は、単なる移動手段の整備を超え、人々の生活スタイルに新しい選択肢を与えた貴重な第一歩です。