陰で支えるプロの力 ~安全・安心のバス運行に日本の経験が生きている~
信頼は、見えないところでつくられる。
パラオで運行される公共バス。その静かで確実な走りの背景には、現地運転手の努力とともに、日本のバス事業者の長年の経験が息づいています。
「定時に走り、丁寧に止まり、安全に目的地まで利用者をお届けする」──パラオで少しずつ定着してきた公共バスの信頼性。その運行の裏には、日本のプロフェッショナルたちの静かな支援があります。
本プロジェクトでは、日本のバス事業者で長年現場を経験してきた2名の専門家が現地に派遣されています。彼らの役割は、単なる運行管理ではありません。運転手への接遇・安全運転教育、運行スケジュールとルートの設定、さらには利用者目線での改善提案まで多岐にわたります。
例えば、時刻表の守り方、バス停での停車方法、運賃の受け取り方といった一つひとつの「当たり前」が、現地では初めて導入されるものでした。だからこそ、日本側は「押し付けない、現地に合った形で伝える」ことを重視し、対話を重ねながら現場の信頼を築いてきました。
バスという小さな空間で育まれる信頼が、島全体の安心な移動につながっています。