未来へのバスが走り出す ～新車両の引渡しと、島全体へ広がるエコ交通の可能性～

2025年9月、パラオで持続可能な観光と環境に優しい交通の未来を象徴するイベントが開催されました。日本の支援により新たな2台のバスが引き渡され、観光と日常生活をつなぐエコな交通まちづくりが、島全体へと広がろうとしています。

パラオにおける持続可能な公共交通の整備を支援してきた「環境配慮型交通システム整備プロジェクト」において、このたび新たに2台のマイクロバスが引き渡されました。これらのバスは、これまで地域に根づいてきたDaytime Busやナイトマーケットシャトルといった取り組みを発展させ、今後はバベルダオブ島など、より広い地域での運行展開が期待されています。
本プロジェクトは、観光分野で策定された「持続可能な観光戦略（STS）2025-2028」とも方向性を共有しており、観光客と地域住民の双方にとって快適で環境に優しい移動手段の確保が、持続可能な地域社会の鍵とされています。
セレモニーでは日本側より、「この新たな挑戦に、日本として引き続きご一緒できることを誇りに思う」とのメッセージが伝えられました。また、JICA事業としてT-Plan社が進める電気自動車（EV）の実証実験や、現在策定中の「公共交通マスタープラン」によって、より持続可能で現実的な交通ビジョンの実現が期待されています。
バスの引渡しは単なる車両供与ではなく、「誰もが使いやすく、観光にも暮らしにもやさしい交通」の未来像を共有する機会となりました。イベントにはパラオ政府関係者をはじめ、国際ドナーや観光関係者も参加し、観光と交通が一体となった地域づくりに対する期待が高まっています。
今後も日本は、観光振興と地域の暮らしを支える交通インフラの整備を通じて、パラオの持続可能な社会づくりを力強く後押ししていきます。