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国際会議を支えた、パラオのバス ~PIFを舞台に広がった公共交通の役割~

PIF参加者輸送を支えるため、通常の車両に加えてスクールバスも活用

プロジェクト展示ブース

2026年8月、パラオで太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議が開催されました。PIFとは、太平洋島嶼国・地域の首脳が毎年集まり、地域の重要課題について協議する最高レベルの会議です。1971年に設立され、現在は16か国・2地域が加盟しています。各国から多くの参加者が集まるこの機会に、JICA「環境配慮型交通システム整備プロジェクト」は、パネル展示によるプロジェクト紹介に加え、参加者をホテルから会場へ運ぶシャトルバスの運行計画づくりを支援しました。これまで公共バスの運行を通じて積み重ねてきた経験が、国際会議という新たな場でも活かされました。

PIF首脳会議の開催にあたり、プロジェクトチームはパラオ側からの依頼を受け、参加者が宿泊するホテルと会場を結ぶシャトルバスの運行計画づくりを支援しました。
プロジェクトチームは、パラオ側と情報を共有しながら輸送需要を見込み、状況の変化に応じて柔軟に運行計画を調整しました。また、運行に先立ち、これまで路線バスの運転を担当したことがない運転手向けにはブリーフィングとして時刻表の読み方や停車場所、運行時の注意点などを共有しました。
そして8月28日、PIFシャトルバスの運行がスタートしました。プロジェクトチームも実際に2つのルートに乗車し、運行状況を確認しました。開催期間中も現場の状況を確認しながら、送迎対象となるホテルの追加に合わせてダイヤを調整するなど、円滑な運行を支援しました。

PIFは、パラオで進めてきた公共交通の取り組みを、国内外の多くの人に知ってもらう機会にもなりました。会場にはプロジェクトの取り組みや成果を紹介する展示パネルを設置しました。PIF域外国対話出席のためパラオを訪問した堀井巌外務副大臣もプロジェクト展示を視察しました。会場では、路線バスの運行や人材育成、将来の公共交通計画などについて担当者から説明が行われました。また、パラオ大統領をはじめ、各国首脳や関係者にもプロジェクトの取り組みを紹介しました。ドライバーの人数など運行実態に関する質問も多く寄せられ、日本のバス事業者の運行ノウハウを参考に作成したドライバーマニュアルをはじめ、車両の供与にとどまらず、人材育成や運行能力の向上まで含めた取り組みに高い関心と評価が寄せられました。

また、展示には地元住民のほか、小学生から高校生まで多くの児童・生徒が訪れました。路線バスをまだ利用したことのない人には、運行情報を確認できるウェブアプリを紹介し、アクセス用のQRコードを掲載したステッカーを配布するなど、公共バスをより身近に感じてもらうための広報活動も行いました。

2024年の路線バス運行開始以来、パラオでは試行と改善を重ねながら、公共交通の運営に役立つさまざまな経験を積み重ねてきました。今回のPIFでは、そうした経験が日常の路線バスだけでなく、多くの人が集まる国際会議の参加者輸送にも活かされました。

運行計画をつくり、現場を確認し、ドライバーや関係者と情報を共有しながら実際の運行につなげていく。こうした一つひとつの経験が、パラオ自身で公共交通を計画・運営していく力につながっています。