第1回HACCP養成者研修(基礎編)
2025年5月、SENACSA(国立家畜品質・衛生機構)において、角野専門家によるHACCP研修(基礎編)が開催されました。本研修には、と畜施設に勤務すると畜検査員(IVO)が参加し、HACCPの基本的な考え方や実践的な知識の習得を目指しました。
HACCP(Hazard Analysis and Critical Control Point:危害要因分析重要管理点)とは、食品等事業者自らが食中毒菌汚染や異物混入等の危害要因(ハザード)を把握した上で、原材料の入荷から製品出荷に至るまでの工程の中で、危害要因を除去又は低減させるために特に重要な工程を管理し、製品の安全性を確保する衛生管理手法です。日本ではすでに全ての食品等事業者に対して導入が義務付けられており、パラグアイにおいても輸出認定を受けたと畜施設では導入が進められています。IVOは、HACCP導入施設において、検証活動を担っており、危害要因分析やHACCPの基本的な理解は、その職務遂行において極めて重要です。
今回の研修では、日本の事例として、岩手県の豚と畜施設(株式会社いわちく)のHACCP資料を教材に使用し、危害要因やHACCPプランの作成演習を行いました。参加者はグループワークを通じて活発に意見交換を行い、それぞれのグループでHACCPプランを作成しました。
研修の後半では、各グループが作成したHACCPプランに対して相互に質疑応答を行い、分析結果の根拠等について活発な議論が交わされました。これらの議論は、SENACSAの現場に即した実践的な内容となっており、今後の改善活動への応用が期待されます。
今後は、今回の基礎編に続き、より実践的な内容を扱う応用編の研修を実施していく予定です。
略語
SENACSA:Servicio Nacional de Calidad y Salud Animal(国立家畜品質・衛生機構)
IVO:Inspector veterinario oficial(と畜検査員)
日本のHACCP導入について説明する角野専門家
㈱いわちくのと畜資料を使用した研修
各グループによるHACCPプランの作成風景1
研修終了後の全研修生との写真撮影