新規ニュース! 建物の耐震性能を評価するための実験施設「マルマラ地震工学試験センター」が開所しました
建物の耐震性能を評価するための実験施設「マルマラ地震工学試験センター(通称:マルテストセンター)」が、2025年9月11日、トルコ国のゲブゼ工科大学構内(ゲブゼ市)に開所しました。
 
マルテストセンターは、2023年6月に開始したSATREPSプロジェクト「災害に強い社会を発展させるためのトルコにおける研究と教育の複合体の確立ーマルテスト」の一環でゲブゼ工科大学が新設したものです。同センターは高さ約20メートル、延べ床面積約2300平方メートルの規模を誇り、2026年6月以降にトルコ国内最大規模である縦横4メートルの1軸振動台が導入され、建築構造物などの耐震性や安全性を測る予定です(*)。
 
開所式には、JICAや大学関係者ら約50人が参加。出席したトルコ側研究代表者機関・ゲブゼ工科大学のブレント・アクバシュ教授は「トルコと日本はともに強い地震を経験している。将来世代のために、より安全で強靭な都市を築くための協力が必要」と両国の連携の重要性を強調しました。また、SATREPSプロジェクトの日本側研究代表者である香川大学の金田義行特任教授は「このセンターはプロジェクトの象徴であり、トルコと周辺国における災害軽減の研究に貢献するうえで非常に重要な存在だ。今後プロジェクトをさらに発展させていきたい」と抱負を語りました。
 
開所式の翌日には、ゲブゼ工科大学内でシンポジウムも開かれ、VR・ARを活用した災害体験教材や光ファイバーケーブルを用いた地震観測など、SATREPSプロジェクトの様々な研究成果が発表されました。シンポジウムに参加した両国の研究者らはSATREPSプロジェクトの成功に向けて今後さらに連携を強化していくことを確認しました。
 
(*)トルコ国内で稼働する振動台として国内最大規模です(2025年10月時点)。