宮本恒靖さんがプロジェクトにやってきた!

2017年1月29日

プロジェクトが本格始動しようとしている2017年新しい年明けに、我々はビッグゲストをお迎えしました。モスタル市スポーツ協会(以下、スポーツ協会)が連携をしているMali Most(注1)のボードメンバーである元サッカー日本代表キャプテンの宮本恒靖さんです。Mali Mostはこのモスタルでスポーツを通じて民族間の融和を図ることを支援しているNGOで、2014年から現地で活動を開始。2016年10月に本格的にアカデミーが開校し、異なる民族の子どもたちが共に様々なスポーツを楽しむ機会を提供しています。
今回、宮本さんは我々プロジェクトとスポーツ協会が企画した二つのプログラムに参加してくれました。
一つ目のプログラムである講演会では、スポーツ協会のスタッフや体育学部の学生、スポーツ関係者に対して、宮本さんの幼少期からこれまでのサッカー経験、日本代表チームキャプテンとして活躍の裏にあった数々の苦労、FIFAマスター(注2)で学んだスポーツビジネスなどについてお話いただきました。
参加者からは「これまでのサッカー人生において一番うれしかったことは?」「子どもたちを指導する上で心がけていることは?」「NGOの活動の舞台としてなぜこのモスタルを選んだのか?」などの質問が寄せられました。宮本さんのお話は、一流選手としての経験だけではなく、アスリートの人生にとってスポーツがどのような価値を持つのかということを教えてくれる貴重なものでした。

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スポーツへの想いを熱く語る宮本さん

もう一つのプログラムは、子どもたちへのサッカー教室の開催です。この日、25人の子どもたちがモスタル市内の4校(うち、2校はクロアチア系の学校、2校がボシュニアックの学校)から参加していました。ゲームでは真剣にボールを追いかけ、宮本さんからの指示に熱心に耳を傾けながら、1時間ほどの練習に汗を流しました。
宮本さんは、「子どもたちは年齢の割にはサッカーをよく知っている。日本の子どもたちと比べて、積極的に相手に当たっていく力があり、将来が楽しみだ」との印象を話していました。スポーツ協会のスタッフでもあり、Mali Mostアカデミーのコーチを務めるイゴール氏は、Mali Mostによる支援はどの子どもたちにも平等にスポーツを楽しむ機会を提供してくれる。それは子どもたちの将来にとって非常に貴重な経験となるだろうと話しています。同氏は、アカデミーの子どもたちに常日頃からMali Mostの理念や宮本さんのスポーツに対する姿勢などを話して聞かせており、そこから子どもたちは宮本さんからサッカーの技術だけではなく、互いを尊重しあう気持ちや謙虚な気持ちを常に持つことの大切さなどを学んでいると話します。

アカデミーでは、子どもたちがサッカー以外のスポーツを体験する機会も作っています。クライミングジムでのボルダリング体験では、子どもたちは新しいスポーツにとても興奮し、何度も挑戦していたようです。
また、Mali Mostでは、今後、柔道やラグビー、水泳などのプログラムも取り入れていきたいと考えているとそうです。
宮本さんは今後アカデミーでは、スポーツだけではなく、「スポーツ+語学」「スポーツ+栄養学」など、スポーツを通じて何かを学ぶことの大切さを教えるためのプログラムを取り入れていきたいと話していました。
我々プロジェクトでも同様に、スポーツそのものの価値を伝えること、そして人々がスポーツを通して彼らの価値観を変えていくこと、人と人とのつながりを広めていくことを目指して、モスタル市スポーツ協会、Mali Mostと連携して今後の活動を展開していく予定です。

(注1)Mali Most(外部サイト)
(注2)国際サッカー連盟(FIFA)が運営する修士課程

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真剣にボールを追いかける宮本さんと子どもたち

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元BiHサッカー代表チームゴールキーパーイゴール氏と宮本さん