「防災アジェンダ（ARR）全国展開セミナー」を開催しました

2021年3月17日及び4月14日に、エクアドル国家危機管理・緊急対応機関（SNGRE）が本プロジェクトの支援を受け、「防災アジェンダ（Agenda de Reducción de Riesgos：ARR）全国展開セミナー」をオンライン形式で開催しました。エクアドルにおける「防災アジェンダ」とは日本の防災計画に相当するもので、本セミナーはプロジェクトの成果2「減災計画と事前準備に焦点をあてた市の「防災アジェンダ」が更新される」の活動の総仕上げとして実施されたものです。

目的は以下のとおりです。
・防災アジェンダへの理解を深める
・プロジェクトで作成した「防災アジェンダ更新ガイドライン」と7パイロット市での活動、防災アジェンダ作成について紹介する
・SNGREがプロジェクトでの経験を反映させて作成した「防災アジェンダ作成のための技術マニュアル」を紹介する
・「防災アジェンダ作成のための技術マニュアル」を用いて防災アジェンダ作成方法を紹介する
・パイロット市（エスメラルダス市、ポルトビエホ市）の事例を紹介する
・防災アジェンダの作成、更新に向けた情報共有、情報交換をする

本プロジェクトは、エクアドルにおける地震・津波による被害を軽減するために、SNGRE及びMIDUVIの地方自治体に対する技術面の支援体制が構築されることを目的としており、これは「仙台防災枠組2015-2030」のグローバルターゲットの一つである「2020年までに国レベル及び地方自治体レベルにおいて、災害リスク軽減戦略を策定する国を実質的に増やす」に貢献するものです。本セミナーは成果2の活動として実施され、エクアドルの全221市、24県の危機管理課などから、計2回のセミナーに延べ363人が参加し、全国の各自治体からの参加者は、プロジェクトを通じて作成された「防災アジェンダ作成のための技術マニュアル」への理解を深めました。

プロジェクトの7パイロット市の防災アジェンダ作成は概ね完了しています。
今後、プロジェクトの総仕上げ、またプロジェクト終了後の取り組みとして、SNGREが全国の市を支援し、防災アジェンダの全国展開を進めていく予定です。

作成：熊谷　雄（長期専門家）