【ケニア】スケジュールドケアによる治療成果の報告があがってきています

2022年4月14日

ケニア・コースト州の新型コロナウイルス感染症患者を診る最高レベルの病院であるコーストジェネラル病院では、2月1日に看護師向け、2月2日には医師向けのスケジュールドケアが開始されました。当初は新型コロナウイルス感染症の症例のみを扱う想定でしたが、現地における懸命な努力もありピーク時よりも重篤な新型コロナ患者が少なくなっていることから、3月からは一般ICUの症例も対象に加えて実施することとなりました。

当該病院のICUには、新型コロナ患者でHIV/エイズを併発している、困難な状況を抱える患者がいました。第1回目のスケジュールドケアにおいて、現地のスタッフから相談を受けた日本人専門家は、この症例に有効なアドバイスを伝えました。その後、「その通りに診療したところ、病状が回復しその患者が無事にICUを退室できた」と現地の医療従事者から感謝の報告があり、既に目に見える成功実績があがっています。

特に一般ICUでは病床の半分以上が埋まり、医療従事者が日々忙しく診療、看護を行っています。その手助けとなるスケジュールドケアは、実際の現場で大変役に立つものであると評価が述べられています。具体的には、「オンライン研修は集中治療について多岐にわたり学ぶことができ、大変有意義であった。」「スケジュールドケアは実際の診療にとても役立っている。」といったコメントが寄せられました。

同病院は、地域における教育病院でもあり、州内、国内の複数の大学と共に医療人材の育成を担い、また医療教育の研究も行っています。本プロジェクトのスケジュールドケアで培われた知識・能力を生かし、今後、同病院の教育面での役割を通じて、コースト州、ひいてはケニア国内の診療・看護の知識やレベルが向上していくことが期待されます。

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