【メキシコ】プロジェクト初の日本人医師、看護師らによる現地活動を通して更なる信頼強化へ

2022年5月8日

ユカタン州では最高気温40℃を超える日が続く中、4月19日から29日まで、医師、看護師等の日本人専門家チームが現地医療機関を訪問し、集中治療に関する指導や意見交換を行いました。病院の位置するメキシコを訪問した日本人専門家らは、プロジェクト対象となっているバジャドリド病院を2日間、オーラン総合病院を3日間訪問し、様々な活動を実施しました。

プロジェクトにより今回新たに導入された医療機器の使い方のコツの指導や、遠隔集中治療におけるICT機材の具体的な活用のトレーニング、新型コロナウイルス感染症による重篤患者の腹臥位療法(【ふくがい】とは、呼吸不全の管理のために顔を自然な形で横に向け、うつぶせに寝た状態のこと)のシミュレーションをはじめ、現場の事情に合致した議論が行われました。

日本人専門家らもメキシコ人医療従事者らも、共にこのパンデミックの渦中、命を救うため多大な努力と技術開発を進めてきた同志であり、現地活動を終えるころにはすっかり昔からの親友、生涯にわたるカウンターパートというような雰囲気でした。これは日本人専門家が、遠隔で実施する技術協力であるからこそカウンターパートとしっかりと信頼関係を築き、お互いがリスペクトし合える関係であることが重要とこれまで考えてきており、今回の訪問で実感できた成果のひとつでもありました。

今回の現地活動の締め括りとして、首都で行われたメキシコ国外務省国際開発協力庁(AMEXCID)、保健省との合同報告会では、メキシコ側から、「是非、このプロジェクトで実証された遠隔ICU技術の成果、人材育成のノウハウ、必要となる施設機材にかかる知見について、現地でマニュアル化して、メキシコでの水平方向への波及(面的技術波及)を図りたい。」と大変意欲的な発言がありました。

今回の訪問で、日本人とメキシコ人が直接対面し、一緒に現場で活動する機会がうまく活用され、「アミーゴ(友だち)関係」から「お互いが信用し合い、リスペクトし合う関係」へと、もう一段アップしました。

活動現場での写真

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オーラン総合病院での遠隔ICUのシミュレーション(モニター室スタッフとICU室のスタッフが連携して患者のケアを行います)

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オーラン総合病院での遠隔ICUのシミュレーション(モニター室スタッフとICU室のスタッフが連携して患者のケアを行います)

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バジャドリド総合病院での伏臥位ケアのシミュレーション

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オーラン総合病院コンテナICU病棟での日本人専門家による医療機器活用トレーニング

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愛情たっぷりのハートで勤務するオーラン総合病院のカウンターパートら

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愛情たっぷりのハートで勤務するバジャドリド総合病院のカウンターパートら