【メキシコ】オーラン総合病院コンテナICU開所式とスケジュールドケアを通じた成果拡大

2022年8月2日

2022年7月11日、ユカタン州メリダ市にある野口英世博士ゆかりの地にあるオーラン総合病院でコンテナICUの開所式が行われました。パンデミックのなかで始まったコンテナICU建設は物流問題、半導体不足、医療資機材需要急増など多くの困難を関係者の熱意と努力により乗り越え、無事に完成しました。

このコンテナICUは、コンテナ内部が陰圧(負圧)調整されるように作られています。コンテナ内部の気圧を周囲の環境よりも低く保つことによって、ウイルス等病原体が外部に放出されないような設計となっています。

初めてメキシコでCOVID-19ウイルスが発見されて以来、2022年7月20日までに652万人の陽性が確認され、32万6,764人の命が奪われました。(メキシコ保健省調べ)

今年5月以降、一時期は感染者が減少しつつあったものの、7月になると再び新型コロナ感染が拡大、ICU病床も占有率が上昇しました。そのため今回はタイムリーなコンテナICU病棟の開所となりました。このコンテナICUを拠点にして、現在実施中のスケジュールドケアが一層効果を発揮できることを期待しています。

ユカタン州政府は本プロジェクトの有効性に注目し、プロジェクトによって育成された医療従事者や通信技術者を活用して周辺都市・農村地区への技術普及拠点としてオーラン総合病院を位置づけることとしています。さらに、メキシコ国中央政府はここで培った遠隔医療技術モデルをメキシコ国内及び近隣国に波及していきたいと考えています。

100年以上前にこの地で黄熱病を研究した野口博士の功績は今もなお称えられ、今日でも日本とメキシコは医療技術でつながっています。本プロジェクトはカウンターパートを通じて、その成果がさらに発展されていくことが期待されています。

活動現場での写真

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旧オーラン総合病院野口英世博士像とカウンターパートたち

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オーラン総合病院に建設されたコンテナICU(外観)

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オーラン総合病院に建設されたコンテナICU(内部)

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開所式記念撮影

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供与されたICT機材設置するために新設されたICUモニタリングルーム

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供与されたICT機材設置するために新設された新型コロナICU病棟