【バングラデシュ】バングラデシュの民間総合病院SIHへの遠隔ICU支援が本格始動

2022年9月27日

2022年7月、「バングラデシュ国新型コロナウイルス感染症流行下における遠隔技術を活用した集中治療能力強化プロジェクト(海外投融資附帯プロジェクト)【有償勘定技術支援】」を開始しました。
本プロジェクトでは、民間総合病院であるシップインターナショナル病院(Ship International Hospital)を対象に、日本の医師・看護師とシップインターナショナル病院の医師・看護師を通信システムで繋ぎ、日本・バングラデシュ間でCOVID-19等で重症化した患者をどのように治療・管理すべきかについて助言や指導等を行います。

本プロジェクトのメインとなるのがスケジュールドケアです。
スケジュールドケアは日本の集中治療を専門にする医師・看護師がICUの入院患者に関する治療についてシップインターナショナル病院の医師・看護師と話し合い、助言・指導を行います。そのためには通信システムを使用して患者の様子やCTスキャン・X線画像等のデータを共有し、患者の様態を正確に把握することが重要です。これには通信システムを適切に操作する必要があることから、事前に医師・看護師を対象に機材の使い方に関する研修を行い、2022年8月29日に医師向け、31日に看護師向けの初のスケジュールドケアを行いました。
初回のスケジュールドケアでは、意識不明で緊急搬送された後、意識が回復せずICUに移送され挿管・人工呼吸器でのサポートが行われた急性メタノール中毒・敗血症・急性心不全等と診断されたケースが取り上げられました。

最初、参加者は少し緊張した様子でしたが、治療・看護方針について熱い議論を重ねるうちに、現地からは「とても多くの事が学べる良い機会だ」と今後に期待する声が上がり、日本側からは、「このケースは非常に難しいものであったがきちんと対応できている」と現場の対応を評価していました。
今後もスケジュールドケアを重ね、シップインターナショナル病院の医師・看護師が集中治療に関する理解を一層深めると同時に、日本・バングラデシュ相互の信頼関係がより高まることが期待されています。

活動現場での写真

【画像】遠隔ICU通信システムの操作研修の様子

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医師向けスケジュールドケアの様子

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看護師向けスケジュールドケアの様子