3回目の国家森林インベントリ調査

2019年1月6日

全国規模の森林調査である国家森林インベントリ(NFI)(注)を2019年1月から開始しました。この調査結果を用いてラオス国全土の森林に蓄積された炭素量を推計します。F-REDDが調査手法等の確立を支援した第2回と同様な方法で実施されています。

本調査の目的として炭素量の把握以外にもう一つ重要なものがあります。それは調査項目の一つである伐根(切り株)から求められる温室効果ガスの排出量推計です。違法伐採が絶えないラオスでは、抜き切り由来の温室効果ガス排出量は相当量あります。それらは衛星画像等で特定することは技術的に困難であり、ラオス国では伐根調査から排出量を推計しています。

2019年末にラオス国は第1回MRV報告書を提出予定ですが、2019年3月末現在において、一定の排出削減量が伐根調査の結果から推計されています。2016年以降、首相令による木材伐採に関する合法性確保の強化や未・低次加工木材の輸出禁止等の効果が出ていると思われます。

(注)国家森林インベントリ(NFI:National Forest Inventory):NFIとは国内の森林の情況を把握するための調査、またはそれをとりまとめたもののことを指し、ラオス国における近年のNFIは、サンプル調査により主要森林タイプ毎の炭素量の推計を行っている。この結果はREDD+準備および実施のため、国土全体の森林炭素量及びその変化の推計に用いられる。

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